第2話

文字数 2,041文字

     走れ! 蓮

 ー 心やさしいキミへのエール -

    漫画原作シナリオ


スマホ向け、パソコン向けの順に

並んでいます。

スマホの方は、このままご覧ください。

パソコンの方は、スクロールしてください。

******************

〇団地前の児童公園(午後)

周囲に満開の桜の木。

ブランコに蓮とトモが並んで座っている。


「昨日さあ

変な夢を見て

魔法をかけられちゃったよ」

智(トモ)
「魔法? 

『紅の豚』みたいに

豚になっちゃったんだあ」


「こらっ、トモ! からかうなよ。

ボクのどこが豚なんだよ。

(と言って寄り目、指を鼻にあてて)ブゥ」


「アハハハ」


「それはそうとさぁ、トモのママはどう?

 やっぱりうるさいの?」


「うるさいってもんじゃないよ。

パパが死んでからずっとだよ。

蓮のママは?」


「顔が腐って鬼そっくり。

こーんな感じ。

(両手で顔を歪ませる)

ボクの病気が心配なら

もっと優しくしろっての」

中年の女性が

公園の隅に咲いているタンポポを

踏みつけて歩いて行く。


「あっ、あのおばさん花を踏みつけた。

タンポポ可哀そう」

トモは花に駆け寄ってタンポポを撫でる。

戻ってきたトモに


「トモは優しいなあ。

ところでトモは四年生の新学期で

クラス換えがあったあとどうなの? 

うまくいきそう?」


「わかんない。

ボクって付き合いが下手だからなあ」


「と言って、いつも図書館で

マンガばかり読んでいるトモなのでした。

ははは」


「もぉ、ボクの勝手じゃん

(頬を膨らませる)」


「じゃあ、怒ったところでいつものやつ」

蓮と智
「ママの顔は鬼より怖い。

鬼は~そと

ママは~外

いえ~い、ハイタッチ」

二人ともげらげら笑って

手のひらを打ち合う。


「あっちのベンチに座ろうよ」

二人はベンチに移る。


「ねえ、マンガってスマホでも読めるじゃん

どうしてわざわざ図書館に行くの?」


「ボクの読みたいのはスマホにはないんだよ

『火の鳥鳳凰編』とか……」


「ゲッ、難しそぉ。

トモはそんなのを読んでいるんだ。

将来はマンガ家になるの?」


「うん。

でも、ボクって絵が下手だから……」


「少なくともボクよりもずっとうまいじゃん

頑張れよ」


「うん、ありがとね。

頑張ってみるよ。

ところで蓮は五年生になって

クラス換えあったの?」


「うん、隣にはデブ男。

変な奴。

ボクも新学期ってやだ」

トモの母親が来る。

智の母
「トモ、スーパーに行くよ」

蓮と智 
(顔を寄せて、ひそひそ声で)

「鬼は~そと、

ママは~外、

いえ~い!」

二人は親指を立てて目配せする。

蓮と智「じゃあね」

手を振る二人。

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ここからは、パソコン向けです

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〇団地前の児童公園(午後)

周囲に満開の桜の木。ブランコに蓮とトモが並んで座っている。

蓮「昨日さあ、変な夢を見て、魔法をかけられちゃったよ」

智(トモ)「魔法? 『紅の豚』みたいに、豚になっちゃったんだあ」

蓮「こらっ、トモ! からかうなよ、ボクのどこが豚なんだよ。

(と言って寄り目、指を鼻にあてて)ブゥ」

智「アハハハ」

蓮「それはそうとさぁ、トモのママはどう? やっぱりうるさいの?」

智「うるさいってもんじゃないよ。パパが死んでからずっとだよ。蓮のママは?」

蓮「顔が腐って鬼そっくり。こーんな感じ。

(両手で顔を歪ませる)ボクの病気が心配ならもっと優しくしろっての」

中年の女性が公園の隅に咲いているタンポポを踏みつけて歩いて行く。

智「あっ、あのおばさん花を踏みつけた。タンポポ可哀そう」

トモは花に駆け寄ってタンポポを撫でる。戻ってきたトモに、

蓮「トモは優しいなあ。

ところでトモは四年生の新学期でクラス換えがあったあとどうなの? 

うまくいきそう?」

智「わかんない。ボクって付き合いが下手だからなあ」

蓮「と言って、いつも図書館でマンガばかり読んでいるトモなのでした。ははは」

智「もぉ、ボクの勝手じゃん(頬を膨らませる)」

蓮「じゃあ、怒ったところでいつものやつ」

蓮と智「ママの顔は鬼より怖い、鬼は~そとママは~外、いえ~い、ハイタッチ」

二人ともげらげら笑って手のひらを打ち合う。

蓮「あっちのベンチに座ろうよ」

二人はベンチに移る。

蓮「ねえ、マンガってスマホでも読めるじゃん。どうしてわざわざ図書館に行くの?」

智「ボクの読みたいのはスマホにはないんだよ。『火の鳥鳳凰編』とか……」

蓮「ゲッ、難しそぉ。トモはそんなのを読んでいるんだ。将来はマンガ家になるの?」

智「うん。でも、ボクって絵が下手だから……」

蓮「少なくともボクよりもずっとうまいじゃん。頑張れよ」

智「うん、ありがとね。頑張ってみるよ。ところで蓮は五年生になってクラス換えあったの?」

蓮「うん、隣にはデブ男。変な奴。ボクも新学期ってやだ」

トモの母親が来る。

智の母「トモ、スーパーに行くよ」

蓮と智 (顔を寄せて、ひそひそ声で)「鬼は~そと、ママは~外、いえ~い!」

二人は親指を立てて目配せする。

蓮と智「じゃあね」

手を振る二人。
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