第2話 ラプラスの悪魔(後半)

文字数 1,113文字



会場を後にする
ホテルの隣にある公園を
健太郎と手を取って
走っている


お、おかしい


「あの…」
「小百合さん、小百合さん、近くに行きつけの美味しい店あるから行かない?」
「どうして私となの?!」
小百合は走っていた足を一旦止める
「ダメ?」
健太郎は不思議そうな顔をする
会場で彼の挨拶した後
強引に連れだされた


♥・*:.。 。.:*・゚♡・*:.。 。.:*・゚♥
(回想)
「俺の後に来ない約束を破る悪い子は、ここでキスするよ」
会場で待機してた場所の後ろから囁くように現れる
「ひぃぁ」
一瞬ぞくっと肩先に熱さを感じる
耳が赤くなりながら会場を飛び出した

♥・*:.。 。.:*・゚♡・*:.。 。.:*・゚♥


「仕事より俺を優先してくれたから、今日は美味しいご飯奢らせて」
健太郎は無邪気に笑う
イケメンの顔で微笑んでいると全部どうでも良くなってきてしまう
「交流会もあるのに勝手にパーティー会場を抜け出して
クビも飛んじゃうかもねー あはは」
健太郎の会場での主演として挨拶時に
お酒をがぶ飲みしたのが少しずつ効いて
気が大きくなり本音がポロッと出てしまった

夜の公園はライトが疎らで人も少ない
砂利に足を取られ、足元がふらついた
健太郎の体に寄りかかる
「顔赤いね…、出演の件、ありがとう」
小百合の体を支えるように肩に手を回す
「実はさ、マネージャーに頼んで小百合さんのゲームの企画書読ませて貰った」
「本当…ありがとう」
「ワクワクしてさ…主人公の世界観が特に感動したから
小百合さんに一度会いたいと思っていたんだよ」

公園の歩道から少し離れた道なき道を健太郎は小百合の手を繋ぎ進んでいく
健太郎は急に立ち止まる
「それ以上に…」
少し彼は悩んだ顔をした後に、、

「君は知らないかもしれないけど俺は君のことを知っている」

小声で彼が囁いた
しばし見つめあう
情熱的な眼差しから目を背けることが出来ない
自然にお互いの顔が近づく
健太郎は小百合の顎を上げキスをする
彼の舌が口の中で絡んでくる程の激しさ

さっき会ったばかりの二人

そして
彼は何故か前から知っている素振り


♥・*:.。 。.:*・゚♡・*:.。 。.:*・゚♥

「タクシーを呼ぶよ」
小百合は健太郎にキスをされたことが突然すぎて何度も思い出しては混乱している
公園を抜けると大通りに出た
腰には健太郎の手が回されている
一台のタクシーが止まると二人で乗り込む
「麻布の方へ…」
彼がタクシーの運転手に手際良く行き先の住所を言う
「俺の部屋にくる?」
彼は耳元で囁く
小百合は驚きで目を見開いたまま
健太郎の顔から視線を逸らす
放心状態で何も聞こえなく
「俺を見て…」
健太郎は小百合の肩を引き寄せ長いキスをする



ドスン
タクシーが反対車線から来たトラックに衝突
急に視界が暗くなる
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