第3話 みんなどこいくの

文字数 432文字

ブゥーン!!

エンジンのかかる音がひびいた。

わたしはそっと窓に近づいて、どこのおうちの車か確認する。

丸山さんか。この時間におそろいでということはスーパーだね。
あの夫婦毎日買い出し行くね。

あれ、だれか帰ってきたよ。

富田さんね。こんな時間に帰ってくるなんて病院混んでたのかな。

ほかのお宅は大体共働きだし、、静かなもんだね。

そろそろ斉藤さんの奥さんもパートの昼休憩で帰ってくるはず、あーほらね。

こわっ

ねーなんで近所の出入りをそんなに見張ってるの?


なんでって、、みんなどこ行くか気にならないの?
気にならないよ!他人のことなんてさ。

暇つぶしに外眺めるのは好きだけど。

なんとなく生きてるとさ、人の言動が気になっちゃうもんなんだよ。

周りの人が充実して見える反面

自分だけが置いていかれたような感じ。

そういう時に、近所の人が変わり映えしない、平凡な日常送ってるのを見て安心する気持ち、わかる?

猫はそういうの、ないからなあ~

自分のことで精一杯。ふあ~ぁ。



わたしはあんたみたいになりたいよ
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登場人物紹介

ちいさいときのあたし

小学生の息子

趣味はラジコンの改造

好きな食べ物はホルモン

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