第1話

文字数 749文字

肩が痛い。
朝、川沿いのベンチからムクリと起きた賢治はそう思いながら回りを見渡す。
朝、特にやる事もない。
あれから何日が経つのかな?
思えばこれの繰り返しな気がする。
ハァー、ため息しか出ない。
毎度ながら自分が嫌になる。
川沿いのベンチで寝るにはまだ早すぎたみたいだ、今は2月………寒い。
川沿いには寝る所が多い、これは今までの経験で知っていたが、ライバルも多い暖かそうな草むらや橋の下には先住民がいる。
この人達は路上生活のプロである。

賢治は歩きだす、目的も何もなく。
とりあえず、お腹が空いたのでポケットをガサガサしてみるがゴミしかでない。
とりあえず歩くのだが歩くのにも注意が必要だ。
それはけっして職務質問に会わないように歩く必要があるからだ。
人が歩いてる所や警察がいない所などとにかく目立たないように歩くのである。
時間帯も重要、深夜歩くのは危険なのです。
特に深夜の都内は危険である!
職務質問の嵐である。
夜は寝るに限るのですが、お金がないので寝る場所探しも都内はとても苦労。
高架下、良い林や森、などには先住民が居るので寝れないのである。
さて、今日の寝床はと言うと……
とても寒い川沿いの橋の下である
これは、ラッキーなほうだ。
屋根があるからです。
少しテンションが上がる。
早速寝床の準備を始める、準備と言っても
床?を手でパッパと叩いて埃などをどかすだけだから……
さぁ、歩き疲れたし寝るか!
横になり目を閉じると一時の幸せです。
が、直ぐに目を開けます。
さみぃ。さみぃ。さみぃ。さみぃ。
です。
熟睡など出来ません。
何かあったらダッシュで逃げれるように常に気を張ってるからです。
何故に俺がここまで気を張っているのかと……
それは、またやらかして逃げて居るからです。
何度も何度もやらかしては逃げてるからです。
もはや、笑うしかない。
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