005 健吾2
文字数 492文字
その時である。
「健吾どーして先行くの!? 私をおいていかないで!!」
ダダダダ!とすんごい勢いで走り寄ってきた野球部のマネ、立花梓が健吾の腕にとびついて唇を尖らせる。
意表をつかれた四月くんがビックリして健吾から視線を外した。私たちにとっては見慣れた光景だけど、慣れてない人はコレ見ると最初は必ず驚くのである。
それにしても、なんていいところに現れるのだろう。飛んで火に入る救いの梓とはこのこと。
「ああ~~よかった。立花さんナイスタイミング!」
ぽろっとこぼれた私の本音に梓が眉をつりあげた。
「アンタ、私には話しかけないでって言ってるでしょ!!」
鬼のような形相で私を睨みつける梓を見て四月くんが再び目を瞠る。
プイっと顔を背けた梓は健吾ただ一人だけを視界におさめて、甘えるようにその腕をゆさぶった。
「ねえ健吾、早く部活行こう?」
が、しかし。
「~~~~ヤメロ、くっつくな!!」
梓をひっぺがしながら健吾が心底嫌そうな顔をして身体を海老反らせる。
「俺には構うなって言ってるだろ!! 二度と俺に触るな!!」
ーーーもうおわかりでしょう。私は梓に嫌われ、梓は健吾に嫌われている。しかもそれぞれがモーレツに。
「健吾どーして先行くの!? 私をおいていかないで!!」
ダダダダ!とすんごい勢いで走り寄ってきた野球部のマネ、立花梓が健吾の腕にとびついて唇を尖らせる。
意表をつかれた四月くんがビックリして健吾から視線を外した。私たちにとっては見慣れた光景だけど、慣れてない人はコレ見ると最初は必ず驚くのである。
それにしても、なんていいところに現れるのだろう。飛んで火に入る救いの梓とはこのこと。
「ああ~~よかった。立花さんナイスタイミング!」
ぽろっとこぼれた私の本音に梓が眉をつりあげた。
「アンタ、私には話しかけないでって言ってるでしょ!!」
鬼のような形相で私を睨みつける梓を見て四月くんが再び目を瞠る。
プイっと顔を背けた梓は健吾ただ一人だけを視界におさめて、甘えるようにその腕をゆさぶった。
「ねえ健吾、早く部活行こう?」
が、しかし。
「~~~~ヤメロ、くっつくな!!」
梓をひっぺがしながら健吾が心底嫌そうな顔をして身体を海老反らせる。
「俺には構うなって言ってるだろ!! 二度と俺に触るな!!」
ーーーもうおわかりでしょう。私は梓に嫌われ、梓は健吾に嫌われている。しかもそれぞれがモーレツに。
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