第1話

文字数 492文字

たましずめ   

日本の伝統的な物事の見方に則れば
これは何かが祟っているのである
怨霊が激しく祟っているのである
怒れる怨霊が荒ぶる魂となって
祟っているのである

癒されることのない魂が
激しく激しく祟っている
まさに鎮魂の儀式こそが
今この国には必要なのだ
それは 自分たちの汚れきった
行いを心から正し反省し謝罪を述べ
汚れに満ちたオリンピックを一刻も
早くこの手から放棄することである
オリンピックを手放さない限り 
この怨霊はいつまでも祟ることを
やめないであろう 
あの震災に見舞われても全く
変わることができなかった
自分たちの汚れ切った在り方や
生き方を心から反省して
清く透明な心に立ち返ることを願って
死者のためにお祈りをすることが
日本人らしい鎮魂のあり方であろう
遥か異国から招かれた聖火も 
福島の変わり果てた火の神の姿を見て 
号泣しそこに倒れこんでしまった
それは他ならぬ
人間の所業によるものだった
このことの意味に世界中の人々は
もっと注目しなければならない
コロナ禍の意味もそこにこそ
あるのだと思う
それに気がつくかどうかが
我々の運命の分かれ道である

荒ぶる魂の声に耳を傾け慰め祈る
たましずめこそがまずは必要なのだ
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