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文字数 1,084文字

 あれ?
 何か……変だ……?
 心の余裕を取り戻すまで、どれだけかかっただろう?
 騎士団のリーダーの頭が砕け散った直後、何故か、馬の方まで吐血し……。
 ガクリと足を折り……。
 えっと……騎士団のリーダーの頭を砕いた「何か」は……どの方向から飛んで来たの?
 けど、騎士達も、自称「冒険者ギルド最高幹部」の爺さんたちも、それ所じゃなかった。
「お……おい……誰が……やった?」
「し……知らん……見当も付かん……」
「でも……マズいぞ……これ……」
 最初の内は……その場の雰囲気は凍り付いていたが……段々と……。
「あ……っ」
 騎士団の中のクロスボウ隊が……あっちとこっちの自称「冒険者ギルド最高幹部」に狙いを付け……。
 矢の雨……と思ったその時……。
 騎士団の真ん中で轟音……。
 騎士や馬が衝撃波で吹き飛ばされ……。
「えっ……」
「な……何で……?」
 そこには……スーパーヒーロー着地をしている「鋼の男」が居た。
「冒険者ギルド最高幹部の皆様。この冒険者ランキング1位『鋼の男』がお助けに参りました。御安心くだされッ‼」
 どうやら、あの鎧の中にも……「魔法の拡声器」が仕込まれてるようで、ここまで声がはっきり届く。
 で……でも……ッ。
 ……あ……安心出来るかッ‼
「なにも……えっ……⁉」
 「鋼の男」に斬り付けた剣は……あるいは折れ、あるいは曲がる。
 騎士が馬ごと派手に宙を舞う。単に、「鋼の男」が槍の攻撃を捌いただけで、その始末だ。
 宙を舞った馬と騎士は……別の騎士に激突し……。
 「鋼の男」は……何の武器も持ってない。そして、防戦一方だ。
 けど、こんな無茶苦茶な「防戦一方」は見た事ない。
 「鋼の男」が騎士達の攻撃を受け捌いてるだけで……攻撃してる筈の騎士団にどんどん被害が出て行く。
 あ……馬鹿……。
 大通りの向こうの自称「冒険者ギルド最高幹部」の1人が「鋼の男」目掛けて、火炎弾(ファイアーボール)
 しかし……。
 「鋼の男」は……何ともなく……騎士達が焼け死んだだけ……。
 あああああ……。
 こ……こんな……。
 生き残った何人かの騎士は逃げ出し……「鋼の男」は……それを見逃し……。
 マズい……。
 騎士団を虐殺した犯人が「冒険者ギルド最高幹部の皆様。この冒険者ランキング1位『鋼の男』がお助けに参りました。御安心くだされッ‼」とがなり散らした事も……多分、国王に報告される。
 あああ……。
 し……始末しないと……。
 冒険者ギルドのどこかに有る……私が、まだ、冒険者登録を抹消されてないって証拠を……。
 そうしないと……私は……国王直属の騎士団を虐殺したテロ組織「冒険者ギルド」の一員って事に……。
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