第6話

文字数 399文字

交通事故に遭って車が使えないタキチ。
妻の車を借りる。
忙しい盆。
盆が明けたら妻子は遠くへ。

夜明け前、タバコを切らした。
コンビニまで30分、妻の車で走る。
タバコも離婚も破産も。
ぜんぶ受け継ぐしか、ないのか?
夏は雲も忙しい。
夜半には曇っていた空は、満点の星空。
用を足して引き返す。
あ、オリオン座。
今は自分でハンドルを握り、前方遥か遠くに。
あ、れ?
オリオン座が近付いて来る。
追い越した先に、兄貴は居るかわからないけど、弟は、待ってる。
おふくろも、そのうち来るだろう。

アクセル全開、その前に、

や、ヒトの車だ。
これ以上、迷惑かけらんねえよ。

それに、やっとわかった。
近付いて来たリゲルもベテルギウスも、巨大で蒼く紅く炎を上げていて、追い越す前に僕は燃え尽き消えるだろう。

名前なんて要らない、ちっぽけなのは、僕の方だ。

そうして、今も、生きてる。
のうのうと。

スズメバチに刺された。
すごく、痛かった。


今は、すごく痒い。
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