第3話

文字数 374文字

チビスケ。
やはり、頭が悪かった。
末っ子で泣き虫、泣きぼくろもあったから、兄たちに馬鹿にされた。
歯磨きが嫌いで、やはり兄たちに「口くさ」と呼ばれたり、変なあだ名で呼ばれたりして、その度泣いた。
甘えん坊で、小学生になっても母親と寝ていたから、きっと兄たちは面白くなかったんだろう。
しかし、だからか、いちばんいい奴に育った。
兄たちが高校を辞めた事もあって、中学を出ると鳶職になった。
背中に試し掘りの虎を掘られた。
虎年の生まれだった。
猫だった。
そのまま長く鳶職を、死ぬまで続けた。
そう、結婚して、娘が出来て、少しして交通事故で。
良く小さな事故に遭っていて、その時々の彼女とお祓いを受けたりしていた。
優しいから、動物の霊とか拾っちゃう、白い車はダメ。
現場に移動する白いワゴン車。
職歴から、いちばん後ろに乗っていたのが災いした。
即死だった。
運転手は、助かった。
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