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文字数 717文字

 私は、それでも恐怖も怒りも感じなかった。
どうやら鎮静剤を射たれた様だ。
頭の中で声が聞こえた。
 『意識を取り戻しました』
誰に向かって言ってんじゃい?
と思ったら桐谷博士の顔が私の目の前に来た。
私は起き上がった。

「良かったな緊急事態プログラムが作動して、君の体をプロテクターが包んだ。
爆発による被害は防いだよ。
だが、加速装置を起動中にプロテクターを起動すると意識が飛ぶことが判明した。
良い実験じゃった」

「だったら!何でプロテクターをつけて、地雷撤去をしなかったんですか?」

と私が聞くと、

「部門が違うのでな。そっちはそっちで、実験してからじゃ。まあ、お陰で○ンボジアは日本と軍事同盟を結んだよ。
いや〜、良いパフォーマンスだった。
凄いな〜!日本のサブカルチャーは。
心理的にダメージを与えた。
皆、ビビっていたそうだよ。
アメリカのお偉方も、ワナワナ震えていたそうじゃ。やったね!」

 アカン!こいつら世界を相手にする気だ。
私はその尖兵にされているのだ。
政治に利用したなぁ〜、ヤバ〜!

「では、私の次に君を実験する男と交代だ」

と言って桐谷が部屋を出てゆくと、入れ違いで今度はハゲ頭の、尤も殆どハゲかカツラの連中なのだが。恰幅の良いおっさんが現れて、

「私の名はプロフェッサー安堂。
君の137の秘密の1つ、強化筋肉部門だ。
よろしく」

 強化筋肉?!何だそれは?
確かに時速9百前後で走れる能力など、普通の人間には無い。
と言う事は、俺の身体は俺じゃないのか?
脳だけ移植したとか?
あれは有るのか!有るのか?男の子のあれは。
 俺には結婚を約束した彼女がいるんだぞ〜!
私は私の股間を手でまさぐった。
あった!良かった・・・。
何度もトイレに行っていて、気が付け!俺・・・。
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