第1話
文字数 1,593文字
去る7月第1週の週末、金曜日の午後から日曜日の夕方まで、産業医更新のための研修会が仙台で開催された。朝から夕方まで、びっしりと講義、実習が組まれていて学生時代を思い出した。
疲れも溜まり息切れがしてきた日曜日の午後、「職場におけるアルコール問題対策」なる講義があった。
人は自分に興味があることには自然と力が入る。
講義は明快で私自身のことが全て当てはまっていて面白かった。(んだんだ、その通りっ!)と心の中で喝采することだらけで、私の講義の理解度は満点だった。
酒には強い酒、弱い酒などいろいろな種類があるが、要は酒の種類にかかわらず飲んだ純アルコールの量が問題で、先ずはその量を知ることが大切だ。
純アルコール量の計算式は、
(お酒の量:ml)X(濃度:%/100)X(アルコールの比重 0.8)=(純アルコール量:g)
で求められる。例えばアルコール度5%のビール 500 ml だと、
(500: ml )X (0.05)X 0.8 = 20 g
純アルコール量は 20 g となる。
日本人男性の純アルコール量の目安は、
節度ある適度な飲酒:20 g/日
生活習慣病のリスクを高める飲酒:40 g/日
多量飲酒:60 g/日
である。一日の飲酒量としては実に少ないのに驚いた。
私が見たところ、講師は酒好きで、飲むと面白いだろう味のあるオジさんだった(←親しみを込めて、失礼)。その話の中で講師が、飲んだ純アルコール量を簡単に計算、記録し、減酒につなげる道具として、大塚製薬が提供している「減酒にっき」というアプリを教えてくれた。
カレンダーの日付から入り、飲酒した、しない、に始まり飲んだ酒の種類(焼酎、ウイスキー、日本酒、ビール、チューハイ、ワイン、ジン、お気に入り1, 2, 3 )がある。そこで例えばビールだと中ビン1本 500 mL ○本と本数を入力すると、純アルコールの量が自動的に計算され出てくる。複数の種類の酒をチャンポンして飲んでもちゃんと合計が出てくる。目標を設定し、設定期間の平均摂取量なども分かる。QRコード注文システムの居酒屋で、自分のスマホから酒を注文するのと同じ感覚ででき、これが実に面白いのだ。
(よし、私は減酒のためにではなく、どれだけ飲めるか励みの道具として使ってみよう)と試みてみた。
不思議なものである。何となく設定した純アルコール量を意識するようになった。私は1日の純アルコール量の目標を 50 g に設定したが、過去7日間の平均飲酒量(純アルコール)は 62 g だった。
これは私が長年の外来診療から得た臨床上の勘である。
総じて、お酒などの嗜好品は量が増えている時は体調がいいことが多い。(もちろん過ぎたるは及ばざるが如しではあるが…)それが経過中、嗜好品の量が減った時、または急に止めた時は要注意なのだ。ヘビースモーカーだった人が、突然、禁煙する。大酒飲みが急に酒量が減った。など、その時、患者さんの体には無意識に悪い変調が隠れていることが多々ある。それからしばらくは、患者さんの体調の些細な変化にも重点的に検査をするようにしている。
気が付けば、私も「減酒にっき」のアルコール摂取量を気にするようになっていた。(これは何か変調の合図かも知れない…)ん~~~?
写真は7月のある夜、隣の酒田市内の居酒屋で食べた”のどぐろの塩焼き”である。
最初は、淡麗辛口の杉勇のもっきり*を飲んでいたが、”のどぐろの塩焼き”に合わせ芳醇な辛口の楯野川のもっきり*に変更した。(*升の中にグラスを置き、その中になみなみと日本酒を注ぐ飲み方)
その晩飲んだ酒の純アルコール量は合計 86 g であった。
(飲み過ぎかなぁ…? )
まだまだ大丈夫だっ!(←根拠のない自信←医者の不養生(笑))
んだんだんだ!!
(2024年7月)
疲れも溜まり息切れがしてきた日曜日の午後、「職場におけるアルコール問題対策」なる講義があった。
人は自分に興味があることには自然と力が入る。
講義は明快で私自身のことが全て当てはまっていて面白かった。(んだんだ、その通りっ!)と心の中で喝采することだらけで、私の講義の理解度は満点だった。
酒には強い酒、弱い酒などいろいろな種類があるが、要は酒の種類にかかわらず飲んだ純アルコールの量が問題で、先ずはその量を知ることが大切だ。
純アルコール量の計算式は、
(お酒の量:ml)X(濃度:%/100)X(アルコールの比重 0.8)=(純アルコール量:g)
で求められる。例えばアルコール度5%のビール 500 ml だと、
(500: ml )X (0.05)X 0.8 = 20 g
純アルコール量は 20 g となる。
日本人男性の純アルコール量の目安は、
節度ある適度な飲酒:20 g/日
生活習慣病のリスクを高める飲酒:40 g/日
多量飲酒:60 g/日
である。一日の飲酒量としては実に少ないのに驚いた。
私が見たところ、講師は酒好きで、飲むと面白いだろう味のあるオジさんだった(←親しみを込めて、失礼)。その話の中で講師が、飲んだ純アルコール量を簡単に計算、記録し、減酒につなげる道具として、大塚製薬が提供している「減酒にっき」というアプリを教えてくれた。
カレンダーの日付から入り、飲酒した、しない、に始まり飲んだ酒の種類(焼酎、ウイスキー、日本酒、ビール、チューハイ、ワイン、ジン、お気に入り1, 2, 3 )がある。そこで例えばビールだと中ビン1本 500 mL ○本と本数を入力すると、純アルコールの量が自動的に計算され出てくる。複数の種類の酒をチャンポンして飲んでもちゃんと合計が出てくる。目標を設定し、設定期間の平均摂取量なども分かる。QRコード注文システムの居酒屋で、自分のスマホから酒を注文するのと同じ感覚ででき、これが実に面白いのだ。
(よし、私は減酒のためにではなく、どれだけ飲めるか励みの道具として使ってみよう)と試みてみた。
不思議なものである。何となく設定した純アルコール量を意識するようになった。私は1日の純アルコール量の目標を 50 g に設定したが、過去7日間の平均飲酒量(純アルコール)は 62 g だった。
これは私が長年の外来診療から得た臨床上の勘である。
総じて、お酒などの嗜好品は量が増えている時は体調がいいことが多い。(もちろん過ぎたるは及ばざるが如しではあるが…)それが経過中、嗜好品の量が減った時、または急に止めた時は要注意なのだ。ヘビースモーカーだった人が、突然、禁煙する。大酒飲みが急に酒量が減った。など、その時、患者さんの体には無意識に悪い変調が隠れていることが多々ある。それからしばらくは、患者さんの体調の些細な変化にも重点的に検査をするようにしている。
気が付けば、私も「減酒にっき」のアルコール摂取量を気にするようになっていた。(これは何か変調の合図かも知れない…)ん~~~?
写真は7月のある夜、隣の酒田市内の居酒屋で食べた”のどぐろの塩焼き”である。
最初は、淡麗辛口の杉勇のもっきり*を飲んでいたが、”のどぐろの塩焼き”に合わせ芳醇な辛口の楯野川のもっきり*に変更した。(*升の中にグラスを置き、その中になみなみと日本酒を注ぐ飲み方)
その晩飲んだ酒の純アルコール量は合計 86 g であった。
(飲み過ぎかなぁ…? )
まだまだ大丈夫だっ!(←根拠のない自信←医者の不養生(笑))
んだんだんだ!!
(2024年7月)