「あばよ、もうひとりの俺」 ダーク・マウジー

文字数 605文字

 アニメ「D.N.ANGEL」から、怪盗ダーク・マウジーの最後のセリフです。

 氷狩の生み出した黒翼の暴走を止めるため、半身であるクラッド(CV:草尾毅)ごと、わが身を犠牲にして封印するときにささやいた、いろいろな意味での決別ともとれるセリフです。

 ダーク自身が人間の技で生み出された存在であり、その立場にどこか感情移入しているところがありましたし、ベクトルが真逆とはいえ同時に誕生したクラッドを連れていく気持ちは、彼にとっていかばかりだったでしょうか。

 本編でははじめ、翼主(テイマー)である丹羽大輔(CV:入野自由)を子どもあつかいしていましたが、大輔の人格に動かされ、次第にダークの心にも変化が起きていきます。

 その結果としての行動だったのではと思うのですが……

 原作もついに完結を迎え、杉崎ゆきる先生には心からお疲れ様でしたと言いたいところです。

 ネタバレになってしまうので恐縮ですが、マンガの本編では闇落ちしかけたダークを、やはり大輔が救っていました。

 大輔の存在があってのダークでしょうし、大輔もまたダークのサポートによって成長したと言えます。

 車輪のようなもので、どちらが欠けても成り立たないのでしょう。

 ダークがこの言葉に込めた想いを思うと、思わず涙腺が緩んでしまいます。

 同時に命を吹き込んだ置鮎さんも、とても感慨深かったのではないでしょうか。

 いつかまたどこかで、ダークはひょっこりと姿を現しそうですね。
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