第1話
文字数 978文字
朝、目が覚めると、おふとんの上でちくわがぼくをじっと見つめていた。
そして
「おはよう。しょういち」
と、言った。
えーーーーーっ!
ちくわは、ぼくが保育園のときからのペットであり、ちくわ色した小さなチワワである。
犬がしゃべったなんて聞いたことない。
でも、インコは教えた通り上手にあいさつするよね。
つまり犬だってやればできるということなのかもしれない。
「ぼく、なあんにも教えてないのにしゃべれるなんて、ちくわは鳥みたいにかしこいね」
ほめるとちくわは
「教えなわからん脳みそのちっこい鳥と一緒にすなっ。チワワはな、頭がええねんぞ」
と、キレた・・・。
「しょういちの好きなアニメを一緒に見てるだけで覚えたんや。チワワにはな、世界を渡り歩いて5か国語マスターしたやつかておるんやで」
ちくわは胸を張った。
「スゴイじゃないか」
ちくわはゴキゲンな顔になった。
「でもな、鳥に『チワワのほうがかしこいぞ』て自慢したら、怒りよるけどな。『わしら鳥は昔、恐竜やったんやぞ、偉いねんぞ。生意気いうとったら、くちばしでしっぽつかんで空中でぶんぶん回転さして隣町まで飛ばしたろかっ!』って言う」
それにしても、見ためはぬいぐるみみたいなチワワの話し方が想像していたのとぜんぜん違う。
「ちくわって、そんなしゃべり方だったんだね」
「は?どんな声やと思っとったんや?」
「いや・・・もっとカワイイかと」
「けっ、そらまた申し訳ないことですなっ、しょういちくん」
小さなチワワはジャンプしてぼくの太ももを蹴った。
「いてっ・・・あのね、ちくわ、ぼくの名前はしょういちじゃないよ?知ってるくせにっ」
「ふんっ、小学一年生やろ?しょういちやないか」
「いや、そ、それは・・・」
たしかに小3でも小6でもなく小1だけど。
飼い主の名前をまじめに呼ばないなんて、なんてへそまがりなチワワなんだ。。。
まあ、ちくわの性格はちょっと気になるけど、ぼくは、ちくわと話ができるようになったことを自慢したくてたまらない。
そして、ついに給食のあと、教室の前に立って
「うちのちくわってしゃべるんだよ。みんなに紹介するから、きょうの放課後、公園に集まってくれ」
と、鼻をふくらませて言った。
クラスの中でいちばん走るのが遅くてとびきり地味なぼくが、はじめてヒーローになれる瞬間!想像するとわくわくしすぎておしっこもれそうだ。
そして
「おはよう。しょういち」
と、言った。
えーーーーーっ!
ちくわは、ぼくが保育園のときからのペットであり、ちくわ色した小さなチワワである。
犬がしゃべったなんて聞いたことない。
でも、インコは教えた通り上手にあいさつするよね。
つまり犬だってやればできるということなのかもしれない。
「ぼく、なあんにも教えてないのにしゃべれるなんて、ちくわは鳥みたいにかしこいね」
ほめるとちくわは
「教えなわからん脳みそのちっこい鳥と一緒にすなっ。チワワはな、頭がええねんぞ」
と、キレた・・・。
「しょういちの好きなアニメを一緒に見てるだけで覚えたんや。チワワにはな、世界を渡り歩いて5か国語マスターしたやつかておるんやで」
ちくわは胸を張った。
「スゴイじゃないか」
ちくわはゴキゲンな顔になった。
「でもな、鳥に『チワワのほうがかしこいぞ』て自慢したら、怒りよるけどな。『わしら鳥は昔、恐竜やったんやぞ、偉いねんぞ。生意気いうとったら、くちばしでしっぽつかんで空中でぶんぶん回転さして隣町まで飛ばしたろかっ!』って言う」
それにしても、見ためはぬいぐるみみたいなチワワの話し方が想像していたのとぜんぜん違う。
「ちくわって、そんなしゃべり方だったんだね」
「は?どんな声やと思っとったんや?」
「いや・・・もっとカワイイかと」
「けっ、そらまた申し訳ないことですなっ、しょういちくん」
小さなチワワはジャンプしてぼくの太ももを蹴った。
「いてっ・・・あのね、ちくわ、ぼくの名前はしょういちじゃないよ?知ってるくせにっ」
「ふんっ、小学一年生やろ?しょういちやないか」
「いや、そ、それは・・・」
たしかに小3でも小6でもなく小1だけど。
飼い主の名前をまじめに呼ばないなんて、なんてへそまがりなチワワなんだ。。。
まあ、ちくわの性格はちょっと気になるけど、ぼくは、ちくわと話ができるようになったことを自慢したくてたまらない。
そして、ついに給食のあと、教室の前に立って
「うちのちくわってしゃべるんだよ。みんなに紹介するから、きょうの放課後、公園に集まってくれ」
と、鼻をふくらませて言った。
クラスの中でいちばん走るのが遅くてとびきり地味なぼくが、はじめてヒーローになれる瞬間!想像するとわくわくしすぎておしっこもれそうだ。