第9話

文字数 804文字

 何となくつべで「漫画を添削する」という精神的にしんどそうな動画がサジェストされて見てしまったのですがそこに出てきた添削元の原稿を「お……面白れぇじゃん!」と思ってしまいました。その面白いけど意味が分からない、しかしパワーだけはある原稿ですけど、パッションはあるけど漫画の作劇技術が追いついてないんですよね(絵は上手いけど)典型的なゼロからイチに行きたいけどその衝動を客観的に捉えられない作品。だから才能はある気がするけど他人に読ませる状態にならなくて独りよがり。それを何やら添削してたのですが、その添削のために細かく描き込んだネーム、実際コマを割って絵まで入れてる労力……まあ凄い労力をかけてるんだけど添削後は元の駄目原稿のよくわからないパワーがなくなってて普通の作品でしたので「あのわけわからんパワーなっつかしい!」としみじみしてしまいました。
 ウン十年前くらい昔の新人作家のデビュー作はパワーだけはあって独特のセンスがあったのですが、私はそれが好きだったのですよ。直ぐに普通になっちゃう&デビューだけで次が出ない人が殆どでした。それは今もか?いや今は新人賞受賞作でも光る物もクソもなくなっちゃって「どこかで見たことあるもの」ばかりになってしまいましたね。何だか超上からで申し訳ないけど。
 「少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方」という本があるんですけど「描きたいを信じる」まあまさにこれが試されてる感じですよ。漫画には本当に正解がないので結構しんどいです。パワーだけはある添削元もちゃんと描くと手塚治虫換算(換算をするな)1ページを3ページくらい広げないと描ききらない感じがしました。
 しかし漫画の添削かあ……ネームだけならやってもいいけど他人に伝わる状態に仕上げるのは一苦労だから(自分がわかるだけならいくらでも描けるんだけど)見てるこっちまで頭が重くなるので娯楽にできない私であることよ。
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