第6話

文字数 883文字

 家に「リボンの騎士」があったので(90年代初頭に書泉で買ったものらしい。カバーがついてる。何もかもがなつry)読んでみたんだけど、多分当時の女の子にとっては画期的だったろうとは思う。アートとして鑑賞したいわな。楽しい(話はクソっぽい)
 まあそんな少女漫画の流れは80年代で消え去ってしまうのですが。少女漫画はどこ行った?キャプテン翼略してC翼(きゃぷつばと読む)の同人誌に決まってるだろ!すっごいブームだったのであるよ。そこでのBLに「やおい漫画」なる言葉が使われていた。やまなし・おちなし・いみなしの頭文字をとって「やおい」なのである。原作があるから結構挑戦的な作風のものもあって、私もかなり影響を受けています。
 ……あれから何年たったでしょうか?遂に「やおい漫画」の完成形の作品が躍り出てきた!それが「Veil」という本です!見事に「やまなし・おちなし・いみなし」でも統一感を持ってフランス映画みたいな洒落た世界観の表現に成功したし、恋愛ものとも言い難い微妙な塩梅で1巻を読んでみれば「なるほどやおい漫画だわ」としか言いようがない。しかも男女の話なのだ!すげえ!!セックス抜きなのに微妙に色っぽいのだった。男性から「行為」を抜き去ってるので安心して読める。でも去勢されてるわけじゃない。
 私は「やおい漫画」を読んで、多数のカップルが異性愛なのにそこを変えなきゃ世の中変わらないのでは?と思いBLには行かなかった人間なのだが……そもそも皆「妊娠」やら「男尊女卑」やらに関係なくセックスを安心安全な物語で楽しみたいからの需要だったのでそんなに社会的な意義を感じてた描き手はいなかったのではないかも思うが、私は世の中を変えたくて努力をしまくったので身体を壊してしまった。
 それから何年経っただろう?私が作品の生産が出来ない間に世の中進んじまったなあ。男女でやおい!一つの目的に到着したのだよ。世間は恋愛なんてオワコン扱いだけど(戦前なら「恋愛」とは映画や読み物の世界だっただろうから先祖返りしたのか?)フィクションで楽しむのはありじゃないか?……と思ったりもします。
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