第4話【嘘と和解】
文字数 1,007文字
A実『衝撃のクリスマスプレゼントに、ぐうの音も出ないみたいね。アンタの負け…ね。私は綺麗で優しいから、完全服従を誓うなら、少しは面倒見てやらなくも無いけど…さぁ私に降伏なさい‼︎』
…妹は欲しいけど。
この女に降伏なんて、絶対するもんか。
何か良い策はないものか…
あーもう分かんない‼︎
僕はこのまま、この女の言いなりの少年時代を過ごし、そして妹だけが可愛がられ、最終的には家を追い出されるのか…パパ‼︎助けてよ‼︎僕がどうなっても良いの⁈そんなワインで酔っ払っちゃって寝ちゃってさ。子供の心親知らずだよ全く。
(ん?……そうか!そう言う事か!分かったぞ。)
A実さん。アナタの言っている事は『嘘』だね。
A実『このガキ、負けて悔しいからって、適当な事言ってんじゃないわよ‼︎』
適当な事を言ってるのはアンタさ。
僕は分かっちゃったんだ。
やはりお前にパパは渡さない!
A実『何言ってんのよ‼︎アナタのパパと私は燃える様なSE…』
もう結構です。
アンタの言うそのクリスマスプレゼント。
………ブラフなんだろ?
A実『ば、馬鹿言わないでよ…』
動揺してるって事は図星みたいだね。
A実『何を根拠にそんな…』
じゃあ説明してあげるよ。
アンタはパパとの子供を妊娠してるって言ったよね?
僕は、本当のママの日記を読んだ事があるんだ。僕が産まれるまでの10ヶ月間の日記さ。
そこにはこう書いてあった。
【2月14日。私達に赤ちゃんが出来た。本当に嬉しい。そうそう。産まれて来る子供の為に、塩分やお酒も控えないとね。』
A実『そうか‼︎しまっ…』
分かった様だね。
妊婦は塩分やアルコールを控えるものなんだ。
お腹の子に悪い影響を与えない様にね。
それがアンタはどうだ。妊娠してると豪語しながら、塩分たっぷりのピザを、たらふく食べ、ワインのアルコールでほろ酔いじゃあないか‼︎』
A実『……そうよ。妊娠は嘘。私の負けね。』
やっぱり。
でも僕は少し残念なんだ。
ずっとお兄ちゃんになりたかったから。
パパは仕事でいつも家に居ないし。
一人で夕食を食べるのも結構寂しいんだよ。
だから新しいママが来るってパパから聞いて、少し楽しみだったんだ…
A実『そうだったのね…私も大人気ない事言って悪かっ…ごめんなさい。』
【話は全て聞かせてもらったよ‼︎ワハハ‼︎】
僕、A実『起きてたの⁈』
父『寝たフリをしてたのさ。さぁ誤解も解けた所で、クリスマスパーティを続けようじゃないか‼︎まだまだ夜は長いぞ‼︎』