【前編】『ホットチョコレートな夜』第1話「僕と錆び猫」

文字数 974文字

【活動報告】

アネモネと申します

初めて投稿します

読んでいただけるとうれしいです!

『ホットチョコレートな夜』(R15)


第1話「僕と()び猫」

 サークルの帰り道、暴風雨に直撃されてしまった。


片思いしていた同級生に告白して撃沈して、やけくそになった僕はずぶ濡れで帰って来た。

ふと、アパートの階段下で、灰色に薄茶が混じった錆び猫がじっとしているのを見つけた。


雨に濡れうなだれ、僕とオーバーラップする。


僕は思わず、錆び猫を拾い上げていた。

203号室に帰宅して、僕と錆び猫は一緒に温かいシャワーを浴び、やっと人心地がついた。


サラダチキンを分け合って軽く夕飯を済ませると、錆び猫には人肌のミルクを、僕はホットチョコレートを飲んで、少し早めに眠ることにした。

錆び猫は、じっと僕を見つめている。


「君の名前はサビにしようか? 僕は真尋(まひろ)だよ」


サビは「にゃ」と返事をしてベッドに潜りこんできた。


「ありがとう、サビのお陰で立ち直れそう」

あれは夢だったのだろうか。


僕の髪、頬、耳たぶ、唇をなぞる指。

目を開けると、浅黒い肌にアッシュグレーの髪を持つ、綺麗な男の人がいた。

「猫のサビ?」


そう聞くとその人はうなずき、そのまま顔を近づけ、ホットチョコレートのようなキスをしてきたので、僕は頭がぼうっとしてしまった。

気がつくとTシャツがまくり上げられ、指で上半身をなぞられて。


「サビ、やめて」と言ったつもりが喘ぎ声にしかならなくて。


そしてサビの指は、先端に触れるか触れないかで、わざとはぐらかす。


僕は焦らされ、体をよじってしまう。


こんなの僕じゃない、僕はこんなふしだらじゃない、なのに理性が飛ぶ。

「さわって欲しいの?」サビが耳元でささやいた。


僕は観念して「うん」と返す。


するとサビは、左をつまんで(いじ)りながら右をちろちろと舐めたので、僕は思わず、はしたない声を漏らしてしまった。

いつの間にか全裸にされ、朦朧とする僕の両足をサビは容赦なく広げると、ざらざらな舌でなぞったり吸ったりした。


サビはいじわるだ。ジェットコースターが到達する寸前で、また何度もはぐらかしたから。


僕は「いじわるしないで」と懇願し、その直後に果てた。

目覚まし時計で気がつく。昨日はおかしな夢を見た。


ふと全裸の自分に気がつく。乱れたシーツと、傍らで丸くなり寝息をたてているサビ。


……夢、だったんだよね?

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登場人物紹介

アネモネ:

見よう見まねで書いたエロ小説『ホットチョコレートな夜』を、はじめて投稿サイトにアップした

大福(だいふく):

結局のところ、アネモネさんの一番のファン

中の人は、堅い職業についています

ショコラ:

BLしか認めない

ヘテロは生々しくて嫌い

文月(ふみづき):

最近フェミ教祖がちゃっかり結婚してタワマンに住んでいたことを知り、イライラしている

zero:

自作の宣伝が露骨

大学生

名無し:

見たような気がする

edge:

本当に通りすがりの人

これを言うためにだけ、アカウントを作った変人

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