諫言のあば

文字数 518文字

 キヨゾーは気分転換にマンガを描いた。

 それが予想以上にうまくできたと思ったので、マンガ家になりたいと考えた。

「すげーマンガ書いた()! 俺は天才だ()! よっしゃ、マンガ家()なる()!」

 それを目撃(もくげき)したあばはこう言った。

「天才だから成功するんじゃない……成功したから天才なんだ……」

 その威圧感(いあつかん)にキヨゾーはギョッとした。

「あまい! バター(もち)よりもあまい!」(※)

()んだがやあ(そうかなあ)

 キヨゾーはあばの言うことがもっともだと思った。

 マンガ家になるよりも堅実(けんじつ)に働いたほうがいいと考えはじめた。

 安心したあばはまた漆黒(しっこく)法衣(ほうい)をまとった。

「無限のパワーを食らえーっ!」

「またかーっ!」

 あばはビームを放った。

 キヨゾーは感電した。

 こうして家に平和は戻った。

 あばはもうしばらくコスプレをしていた。

※バター餅は秋田名物のひとつです。
 バッタものが多く出回っておりますので、お求めの際はご注意ください。
 でもバッタものもけっこうおいしいです。
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