第3話
文字数 709文字
結局、二十三日の朝まで何も予定は入らなかった。ただ、その日ボクが仕事から帰宅すると「世羅くん、二十四日なんだけど」と、若宮さんが期待通りクリスマスイヴに予定を入れてきたのだ。ボクは意気揚々と若宮さんに振り回される準備をしていたので「空けてます!」と、意気込んで答えた。
ボクの勢いに若宮さんがめずらしく少しひるみ「あぁ、そう……」と答えたのち、なぜか翌日の二十四日の朝に猫の親子が家へ届けられ、年末年始はもちろん、親子をボランティアさんへ手渡す七草がゆを食べる前日まで、若宮さんは一歩も家を出ることなくお世話をしていた。べったりと。
どうやら、ご家族の入院に付き添うことになった保護猫ボランティアさんが、親子の一時あずかり先を探していたところ、今回の紹介者が若宮さんを紹介し、ボクらの家へ引っ越すことになったらしい。若宮さんが怪しい方法で調査をしているわけでも、怪我をしたわけでもない。クリスマス当日の朝に、ボクが自分のベッドで目を覚すとなぜか隣で若宮さんが寝ていて、さらにそれを後ろから抱えこむように腕をまわしていた自分に驚いたくらいで、今年はとても穏やかなクリスマスと年末年始だった。
ちなみにボクがお付き合いしていると思っていた女性はというと、新しい恋人と腕を組んで歩いていたところへ往診中のボクが鉢合わせてしまい、自分で気づかないうちにフラれたことを知った。まぁ、これで気兼ねなく来月のバレンタインデーにカフェへ予約を入れることができる。あそこのカフェは若宮さん好みのミルクティーとバレンタインデー限定のクラシックなアフタヌーンティーを出すので喜んでくれるだろう。
これこそ、怪我の功名ってやつかもしれない。
ボクの勢いに若宮さんがめずらしく少しひるみ「あぁ、そう……」と答えたのち、なぜか翌日の二十四日の朝に猫の親子が家へ届けられ、年末年始はもちろん、親子をボランティアさんへ手渡す七草がゆを食べる前日まで、若宮さんは一歩も家を出ることなくお世話をしていた。べったりと。
どうやら、ご家族の入院に付き添うことになった保護猫ボランティアさんが、親子の一時あずかり先を探していたところ、今回の紹介者が若宮さんを紹介し、ボクらの家へ引っ越すことになったらしい。若宮さんが怪しい方法で調査をしているわけでも、怪我をしたわけでもない。クリスマス当日の朝に、ボクが自分のベッドで目を覚すとなぜか隣で若宮さんが寝ていて、さらにそれを後ろから抱えこむように腕をまわしていた自分に驚いたくらいで、今年はとても穏やかなクリスマスと年末年始だった。
ちなみにボクがお付き合いしていると思っていた女性はというと、新しい恋人と腕を組んで歩いていたところへ往診中のボクが鉢合わせてしまい、自分で気づかないうちにフラれたことを知った。まぁ、これで気兼ねなく来月のバレンタインデーにカフェへ予約を入れることができる。あそこのカフェは若宮さん好みのミルクティーとバレンタインデー限定のクラシックなアフタヌーンティーを出すので喜んでくれるだろう。
これこそ、怪我の功名ってやつかもしれない。
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