第2話
文字数 1,329文字
その子の手紙が朝に届いている。
喜びもつかの間、
その内容は陳腐なものでも字が綺麗だったのであるがそこに死にたいの文字がつづられている。
気にしてメールを送っても返事が来ない。わたしは手紙を受取業務の指定場所に送りつけるがそれは届いているだろうか?
自分だけ相手の住所を知らないのは歯がゆく、顔を歪ませる。
その女の子は苦しみに耐えかねていた。
髪を切るのも服を買ってもらうのも付け焼き刃なのだ。そのぬか喜びで貧乏であることをのろい、男からもらった手紙を大事そうに持って泣く。
父:「それをかせ。金だろ?」
その子は怖くて声を出せずに首を横に振るが母は助けてない有様。
ぶんどった手紙は金でなかったことでの父の苛立ちでビリビリに破かれる。その子はショックで静かにうつむき、ビリビリの手紙を拾う。綺麗な想い出を壊れた人形みたいな気持ちでセロハンテープでつなげようとするがその論点が母はずれていた。
「ダメよ使いすぎよテープ」
その言葉にひっかかり、それに声の出ないのをにくむ。
(何もかわってないじゃないか。くそ、くそ。)反吐でそうだ。
いつも通りの姿で小銭の勘定をしている自分だけを見て思う。
「手紙を書こう。みんなをあっと言わせてやろうぜ!」
自分があの男の言葉をマネすればしゅんとなる。あのとき振られたのだった。
最期に手紙を書こうとしてただ一言だけ書いて終わった。
「会いたい」と書いて。
だがこんなダサい誰にも頼れない苦しみが自分の裏切りになる気がしていた。
その顔は曇り、その顔を母さんは大きく溜息を吐く。
母さんはその子に醜い表情で言い寄った。
「男を作って消えればいいのに。金取りが。」
わたしはここから消えた。
私はその通りにしたかったので、母は男の元へ駆けつけさせた。走って消えればそこにみえる少ない星を見つめて、己だけに甘い親に対する私の気持ちを走りだす体にぶつけた。
うああああああ
とりあえず彼のもとへ急ぎ、それが基本概念になるくらいすがると電車を乗り継ぎ、ようやく男の家路につく。
ダサいカッコの自分が夜のライトに照らされ、カーブミラーに映る。
自分の手に書きかけ手紙が強くにぎられていた。
「会いたい」と強気の字で書かれてある。
多分「死にたい」ってこういう時に使う言葉だ。死にたいやつは希望のあるうちはよく死にたがる。
勇気を持ってインターホンを鳴らすと彼が出てきた。
私は彼の前で思いっきり泣きたかった。
そして、
「誰、君?」
その言葉でその死にたい希望がついえた。
ぐ〜
腹の音がなると嬉しそうに男は言った。
「カレー食うか?美味しいぞ!」
匂いにつられて、家の中でカレーを夢中に頬張る。とてもおいしくて始終無言だった。
「いつでもきていいぞ!また食いに来い」
そしてわたしは彼に気付かれなかったまま何も話せずその悔しさも上乗せし、泣いた。そこは寒空だった。
その悔しさに誓ったのだ。この手紙の「会いたい」を皮切りに泣く場所を手に入れ、過去の自分で本当に彼と対面するために。いまは一人生きることを。それは執念だった。
そして
私の成人の日に彼の家へ出向いた。
喜びもつかの間、
その内容は陳腐なものでも字が綺麗だったのであるがそこに死にたいの文字がつづられている。
気にしてメールを送っても返事が来ない。わたしは手紙を受取業務の指定場所に送りつけるがそれは届いているだろうか?
自分だけ相手の住所を知らないのは歯がゆく、顔を歪ませる。
その女の子は苦しみに耐えかねていた。
髪を切るのも服を買ってもらうのも付け焼き刃なのだ。そのぬか喜びで貧乏であることをのろい、男からもらった手紙を大事そうに持って泣く。
父:「それをかせ。金だろ?」
その子は怖くて声を出せずに首を横に振るが母は助けてない有様。
ぶんどった手紙は金でなかったことでの父の苛立ちでビリビリに破かれる。その子はショックで静かにうつむき、ビリビリの手紙を拾う。綺麗な想い出を壊れた人形みたいな気持ちでセロハンテープでつなげようとするがその論点が母はずれていた。
「ダメよ使いすぎよテープ」
その言葉にひっかかり、それに声の出ないのをにくむ。
(何もかわってないじゃないか。くそ、くそ。)反吐でそうだ。
いつも通りの姿で小銭の勘定をしている自分だけを見て思う。
「手紙を書こう。みんなをあっと言わせてやろうぜ!」
自分があの男の言葉をマネすればしゅんとなる。あのとき振られたのだった。
最期に手紙を書こうとしてただ一言だけ書いて終わった。
「会いたい」と書いて。
だがこんなダサい誰にも頼れない苦しみが自分の裏切りになる気がしていた。
その顔は曇り、その顔を母さんは大きく溜息を吐く。
母さんはその子に醜い表情で言い寄った。
「男を作って消えればいいのに。金取りが。」
わたしはここから消えた。
私はその通りにしたかったので、母は男の元へ駆けつけさせた。走って消えればそこにみえる少ない星を見つめて、己だけに甘い親に対する私の気持ちを走りだす体にぶつけた。
うああああああ
とりあえず彼のもとへ急ぎ、それが基本概念になるくらいすがると電車を乗り継ぎ、ようやく男の家路につく。
ダサいカッコの自分が夜のライトに照らされ、カーブミラーに映る。
自分の手に書きかけ手紙が強くにぎられていた。
「会いたい」と強気の字で書かれてある。
多分「死にたい」ってこういう時に使う言葉だ。死にたいやつは希望のあるうちはよく死にたがる。
勇気を持ってインターホンを鳴らすと彼が出てきた。
私は彼の前で思いっきり泣きたかった。
そして、
「誰、君?」
その言葉でその死にたい希望がついえた。
ぐ〜
腹の音がなると嬉しそうに男は言った。
「カレー食うか?美味しいぞ!」
匂いにつられて、家の中でカレーを夢中に頬張る。とてもおいしくて始終無言だった。
「いつでもきていいぞ!また食いに来い」
そしてわたしは彼に気付かれなかったまま何も話せずその悔しさも上乗せし、泣いた。そこは寒空だった。
その悔しさに誓ったのだ。この手紙の「会いたい」を皮切りに泣く場所を手に入れ、過去の自分で本当に彼と対面するために。いまは一人生きることを。それは執念だった。
そして
私の成人の日に彼の家へ出向いた。