夢幻(4/30)

文字数 214文字

寝言で
目覚めた朝は
決まって
牛乳が飲みたくなる

己が寝言で
起きるなんて
カルシウム不足の
証左に他ならない

叫び声をあげ
驚いて起きると
妻は熟睡しているから
叫び声は
夢の中だったのだろうか

歯軋りが
酷くなり
奥歯が磨り減る

牛乳を飲むと
決まって
腹痛を起こす

いつ
どこで転んだのか
肘と膝に
擦り傷ができている
血も滲む

真っ青な階段を
突き飛ばされて
転げ落ち
叫んで
目覚めたのだ

僕は

どちらにいるのだろう

昨日
麻酔を打ち
親不知を抜いたから
歯軋りがなくなるはずなのに
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