第1話 開幕を待つ

文字数 683文字

 憂鬱な日が続いている。
 2020年2月、Jリーグが開幕していつものようにシーズンが始まったと思っていた。
 しかし新型コロナウィルス感染拡大の影響で、中断となった。
 中断といってもそれはJ1、J2リーグの第1節が行われただけで、各チーム1試合しかしてないのである。J3リーグはまだ開幕もしていない。
 様々なスポーツ、イベントが延期または中止となり、いつもとは違うシーズンになっている。
 4月、新入生や新社会人の初々しい姿はどこにも無い。Jリーグの新加入選手をまだ見ることもできていない。
 5月、ゴールデンウィークも静かなものだった。ホームゲームはもちろん、休みを利用してのアウェイへの遠征も無く、何も無い日々を過ごしていた。

 今年J3に昇格を果たしたFC今治は、まだJリーグデビューを飾れていない。
 チーム、選手はもちろん、サポーターたちも残念な気持ちだろう。
 セレッソ、ガンバ、FC東京のU-23のチームは今年で最後だ。全ての選手がトップチームに参加できるわけでは無い。多くの選手が移籍するのだろう。
 今ジーズンを最後と決めている選手もいるだろう。今シーズンを勝負の年と決めている選手もいるだろう。
 同じメンバーで戦えるのは今だけだ。
 来シーズンは敵になってるかもしれない。ピッチに立っていないかもしれない。

 スタジアムに向かうユニホームの人々、
 屋台やキッチンカーに集まる人々、
 スタンドで声をあげる人々、
 笑顔、叫び声、掲げられるタオルマフラー、
 スタジアムに集まる人々を、
 早く見たい。

 本当の開幕が待ち遠しい。
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