第1話

文字数 598文字

 (山形県)庄内にあって東京にない物の最たるものに「四季の(いろど)り」があります。
 私の趣味は鉄道写真を撮る、いわゆる撮り鉄ですが、同じ場所から撮る鉄道写真でも、背景の自然は日々刻々と変化し同じ写真は2枚とありません。
 冬は白と黒の世界です。雪の白は木々や建物以外の全てを覆い尽くします。写真は陸羽西線の狩川の跨線橋から撮りました。


 春はこげ茶と緑です。水気を含んだ大地に緑の植物が彩りを添えます。私は代掻(しろか)きの頃の庄内が一番生気に満ち、清々しくて好きです。写真は代掻きの頃の「余目(あまるめ)のS字カーブ」を走る羽越本線の普通列車キハです。余目の跨線橋から撮影しました。


 夏は緑と青です。頼りなく細かった田植え直後の稲の緑の線が日を追うに連れ太くなり、やがて大地を覆います。夏の青空の元で生命力を感じます。写真は夏の庄内平野を走る羽越本線の特急「いなほ」です。


 そして秋は黄金色と淡い青です。深く頭を垂れた稲穂は黄金色に輝き、豊穣の言葉がぴったりです。写真は鳥海山を背景にした秋の庄内平野と特急「いなほ」です。


 比較に羽田空港で撮影した空港モノレールの写真を見て下さい。この写真を見ていつの季節か分かりますか?


 自分は庄内で四季の移り変わりが見えるのが当たり前に思っていましたが、実はこれが素晴らしいことなのだとつい最近になって気が付きました。
 んだんだ!!
(2017年8月)*(2021年11月 一部筆を加えた)
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