第4話

文字数 624文字

僕は王宮に着くなり王への謁見を許された。母とは懇意らしく王は僕に会えるのを喜んでいた…ように見えた。
「アレーナの息子がこんなにも大きくなっていたとはな。アレーナも生きていれば…なぁ。」
王は母の話を続ける。僕はそんなこと聞いてすら…いや、聞こえなかった。
…君が飛ばすから
まぁ、聞こうと思っているわけではなかったのでいいのだが。
一通り母の話を終えた王は先ほどとは打って変わって苦そうな顔をした。
「姫が…無事でさえあればいいのだが。あの()は…忽然と姿を消したのだ。」
…つまり僕は

姫を探さないといけないのか…。

『【僕】、多分次も、その次も私たちは…こんnhd逐tl0if4…。』
燃え盛る街を見つめ、崩れ落ちる城を見つめ、何もできない非力な自分の手を見つめ、姫は言っていた。その姫の言葉は「バグ」として消え去ったが。
…あれはいつのことだったんだろうか。もうその頃には互いが互いの宿命を理解していた。自分たちには自由がないことを。行きたいところにも行けず、言いたいことも言えず…
そう考えているうちに僕の体は君たちによって既に動かされていた。もう王宮を出て近くの武器屋さんで武器を買っていた。盾とか装備とか、ポーションとか僕はいろいろ買ってその街を後にした。

気づけば僕は、敵と戦っている。そしてけがをして。でも何もできない。君たちが「コマンド」で僕を回復するまでは。反撃も防御も君が許さない限り僕はできない。
あぁ……僕は、僕の魂は何のために生きてるんだろう。
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登場人物紹介

名前:「僕」

説明:「姫」をいつも助けなければならない


名前:姫

説明:「僕」がいつも探している「姫」

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