7話 浪

文字数 156文字

男が、都はもういいと思い、東の方へ行った。
伊勢と尾張の境、海辺を歩き、波がすごく白く立つのを見て、こう詠んだ。
 
 ますます遠く去っていく 都を恋しく 思っていたら
 うらやましいね 波は来たら 帰っていくじゃないか
 
   *
 
 いとどしく 過ぎゆくかたの 恋ひしきに
 うらやましくも 帰る浪かな
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み