偶然手に入れた1万円札を話し合う目黒とフロム

文字数 859文字

実は今日、会社に来る途中、1万円札を拾ったんだ。
よかったですね。

臨時収入じゃないですか。

ところが、ここが俺の不自由なところで、普通はラッキーだと思うだろ?

俺は思わない。

偶然手に入れた幸運より、見通しの立っている計画が順調に進んでいることのほうがハッピーなのさ。

うわあ、すごい不幸せな人の発想をしていますね。

でも自分の性格を直すのは難しいですからね。

計画を立てることができるというのが目黒さんの素敵なところです。

うーん、わかるよ、普通は偶然1万円を手に入れるのがハッピーなことくらい。

そもそも1万円札を拾うなよって思うかもしれないけど、俺は割と神経質なところがあるから、拾って得するものは何でも拾う。

元々の持ち主がいたのかもしれないが、俺も昔1万円落としたことがあるからな。

大した差じゃないと思うよ。

人間性をすべて捧げちゃってますね。

でもどうしてでしょう、普通はハッピーの臨時収入なのに、目黒さんはハッピーを感じないんですね。

まあ、生まれ持った性みたいなもんなんだろうな。

ショットガンで遠くの敵を攻撃する奴はいないし、巨砲を雑魚的にぶっ放す奴もいない。

いたとしたら、芸風でやってるか初心者、あるいは異常者だ。

俺は異常じゃないから自分の感じ方を尊重するよ。

それでいいのではないでしょうか?

何に幸せを感じるのかは人それぞれです。

でも、私は旅に出かけるとき、どんな出会いがあるかわからないのでいろいろなものを持ち帰るために、スーツケースを特大のものにしています。

目黒さんのスーツケースは小さそうですね?

そうだね、スーツケースは最小のものを選んでる。

でもまあ、荷物が小さいと、旅先で出会ったものを持って帰れないっていうのは間違いないな。

輝くものは必ずしも金じゃない。

今回はたまたま1万円札だったから持ち帰れたけど、旅先にある素敵なお守りをゲットしようとしたとき、俺のスーツケースじゃ小さすぎる。

なるほどなあ、カバンがでかいっていうのはそういうことだったのか。

一つ覚えたよ。

これからはスーツケースをでかくしようかな?

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