むらさき・すなこ
文字数 246文字
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むらさき・すなこ
スプーンを操り魔法をつかう。横濱(ヨコハマ)の古い雑居ビルにすむ魔女。
行き場のない幽霊を捕獲しては壜詰めのコレクションにするのが趣味。
その一方で昇天させてあげたいと願い、さまざまな援助をこころみる心優しき女性。
オッドアイで左右の眼の色がちがうが(ふだんはカラーコンタクトで補正)、左眼で幽霊を、右眼で現実界をみている。
零細投資顧問会社「阿弖流為(アテルイ)」の社長、縄文谷玄武郎(じょうもんだに・げんぶろう)とは友人。
「阿弖流為」は、しばしば壜詰め幽霊の再就職先となっている。
森白揚羽(もり・しろあげは)
自分がなぜ死んだのか思い出せない幽霊少女。
死後、野生化したセキセイインコの群れに幽霊の小鳥となって紛れ込んでいるところを、むらさきさんに保護される。
いまは壜詰め幽霊として天国に召されるまで、むらさきさんの部屋をシェアして暮らしている。
昇天するには天使の翼が必要で、小鳥にはなれるが、天使のそれについては片翼しか持っていない。生前の功徳の量が圧倒的に不足しているためだ。
功徳がたまるまで幽霊OLとして、零細投資顧問会社「阿弖流為(アテルイ)」で働くはめに。
性格にやや難あり。むらさきさんからは、「シロちゅん」というニックネームで呼ばれている。
縄文谷玄武郎(じょうもんだに・げんぶろう)
零細投資顧問会社の「阿弖流為(アテルイ)」の社長だが、外見はごくふつうの無邪気な十二歳の少年にしかみえない。
成仏できない幽霊を雇い、「地獄階89(インフェルノ・エイティナイン)」と呼ばれる異界から、世界中でこれから起こる、紛争、戦争、テロ、自然災害等の予言情報をあつめさせている。理由は、先物や債券の売買に役立てるため。
顧客には善人だが、報われない貧乏人やお年寄りがメイン。儲けすぎず、かつ時々、小さく負けるシステム「みかんちゃん」を提供し、不審がられないよう勝たせている。
率直に言って「人助け」をしているようなもの。しかし本人の死後は、地獄に直行という過酷な運命が定まっている。
森白揚羽はこの「阿弖流為」で新人幽霊OLとして働き、昇天に必要な「功徳」を集めている。
むらさきさんからは、「げんにーちゃん」と呼ばれ、慕われている。