石川2話 金沢で食べるなら「市場海鮮丼」

文字数 2,441文字

で、いつものパターンでいくと、名所を紹介した後は、名物を紹介ということですけど、今回もその流れってことでいいんでしょうか?

ほうじゃな。

ここは奇をてらうところじゃあないけえ、その流れでいこうかの。

いや、奇をてらって、もうちょっと手心を加えてくれてもいいんだぜ……

残念ながらわしはそがいに器用な性格はしとらんけえな。

常に剛速球一本やりよ!

たまに球がそれて大暴投になりますけどね……
こいつの場合、デッドボール並みの発言もちょくちょくあるだろ……
お前ら……、ちぃと辛辣すぎんか?(震え声)
コンテストに出す作品で……
こんなの書いてる、てめえが悪いんだよ。

ま、まあええ。

ほいじゃあ、金沢の名物を紹介するわけじゃが、その前にまず、気を付けにゃあいけんことがあるんじゃ。これは食べ歩きでも観光でも注意が必要なことじゃけえ、しっかり覚えときんさい。

なんだ?
どんなことでしょうか?
金沢は道路が複雑に入り組んどるけえ、車での移動はめちゃくちゃ不便いうことじゃな。
マジかっ!?

ああ。

なのでレンタカーを使って移動する場合は、事前にある程度ルートや駐車場を調べておいたほうがええで。

いまはナビがあるけえ、それに頼り切ってしもうて、「当日、ナビ見ながらでもなんとかなるでしょ」と甘くみとったら、えらい目にあうけえのう。

えらい目にあったんですか?

いや。

わしは旅行にいく場合、その地のことを入念に調べるけえな。

なので、痛い目にはあわんで済んだが、下調べしとらんかったら、わしでも往生したじゃろうて。

でも、金沢はなんでそんなに道路が入り組んでるんでしょうか?

ああ。

それは金沢が第二次世界大戦の折、空襲をほとんど受け取らんけえなんよ。

マジでっ!!

おう。

なので、金沢は江戸期のTOP5に入る都市であったにもかかわらず、その都市構造がそのまま残されとる稀有な街なんよ。

なので見どころもたっぷり。

江戸の風情をいまに伝えるものも多いいうことなんじゃ。

なるほどな。
でも、その反面、道路が入り組んでいると?

そういうこと。

なんせ江戸期の町割り、つまり都市計画は「いかに敵から攻められにくいか」いうのを主眼においとるけえ、どうしても道路が複雑になりがちなんじゃ。

で、そういうんが空襲でやられんかったいうことは、その後の都市整備は大空襲を受けたところに比べ、言うほど進まんかった、ほとんど整備の手が入らんかったいうことなんよ。

痛しかゆしといったところですね。
ま、こればかりはしょうがないのう。
で、名物を紹介する前になんでそんなことを言ったんだ?

それはじゃな、これから紹介する名物を食いにいくのにも、必要な知識じゃけえよ。

というのも、今日紹介するのは、金沢の台所「近江町市場」の逸品じゃけえな。

近江町市場?

ああ。

もともとは江戸期の近江商人がここで市場を開いたけえいうて付けられた地名じゃそうな。この市場には、北陸の新鮮な魚はもちろんのこと、この地方の名産・加賀野菜なんかも豊富に取り揃えられとるんじゃ。まさに金沢の台所と呼ぶにふさわしい場所なんよ。

ほう、それは期待できそうだな。

おう、期待してええで。

なんせここは戦災をまぬがれた市場いうことで、地元の人はもちろんのこと、昔から観光客もようけえ訪れるような場所じゃったわけじゃけえな。

昔から人気なんですか?

ほうじゃな。

なので、そういうのもあって、10年ほど前には再開発事業にも着手。

2009年に70数店舗が入る「近江町いちば館」も完成しとるんよ。


で、この建物には駐車場があるんじゃが、そこまで入るのにめちゃくちゃ苦労すること請け合いなんよ。

入りにくいのか?

ああ。

場合によっちゃあ、駐車場に入るためにぐるっと建物をまわりこまにゃあ行けんいう事態にもなるけえ、事前によう調べといたほうがええで。

では、バスで行ったらどうなんでしょうか?

うむ。

その方がまだマシじゃろうな。

それでも、まだマシというレベルですか?

ああ。

というのも、近江町市場は最寄のバス停が複数あってな。

路線によって停まるのが全然違うんじゃ。

じゃけえ、「最寄のバス停から徒歩1~3分」と考えたほうがええな。

複数って何個ぐらいあるんだ?
最寄は武蔵ヶ辻いうところなんじゃが、ここに6個ほど停留所があるのう。
6個っ!?

多かろ?

ま、金沢駅からは歩いて15分ほどじゃし、この近江町市場~金沢城~香林坊周辺は徒歩数分圏内じゃけえ、この周辺の観光は徒歩で移動することをオススメするわ。

今岡先生は?

近江町市場に行った後は、比較的安い駐車場に車を停めてから、あとはひたすら歩いて観光したわ。

その方がなにかと都合がええんよ。

なるほど。
で、その近江町市場なんじゃが、ここには寿司の名店が数多くあるんじゃ。
ほう、それはいいな!

いろんな店があって、目移りするところじゃが、

わしがおススメするんは、市場に3店舗を構える「近江町市場寿し」さん

そこの「市場海鮮丼(1480円)」じゃ!!

これは見事ですね!!
たしかに旨そうだ!!

ああ、実際旨かったで。

ついてくる「あら汁」もしっかり出汁が出とって、これだけでも十分に満足いくもんじゃったわ。

あと、寿司の方は、切り身も肉厚で、まさに絶品の一言じゃな。

他にも高くてええのはあったが、この「市場海鮮丼(1480円)」が手ごろじゃけえ、個人的にはこれをおススメするわ。

これでも十分満足ってことですね。

ああ。

他にものどぐろが乗ったやつとかもあったが、のどぐろが食いたけりゃあ、別途、のどぐろだけ頼めばよかろうて。

しっかし、ほんと忖度なしで、リーズナブルなのを勧めるやつだな……

そんだけ説得力もあろうというもんじゃて。

ま、さっきもいうたように、ここは寿司の名店が目白押しじゃけえ、他の店を選んでもそうそう外れはあるまいて。

そのときそのときの勘を信じて、あえて攻めてみるんも一興じゃろうよ。

それはそれで楽しそうですね。
そんなわけで名店が目白押しな「近江町市場」、みなさんも金沢観光に行かれた際には、ぜひ一度足を運んでみてつかあさい!!
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登場人物紹介

■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。


なお、石川で食べたもので一番のお好みだったのは、近江町市場の「市場海鮮丼」。

■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファン。


なお、石川で食べたもので一番のお好みだったのは、「ハントンライス」

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


なお、石川で食べたもので一番のお好みだったのは、「8番らーめん」

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。


なお、石川で食べたもので一番のお好みだったのは、「金箔のかがやきソフトクリーム」

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。


なお、石川で食べたもので一番のお好みだったのは、「のどぐろの煮付け」

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う……っていうか、本作ではまったく登場すらしていない。


なお、石川で食べたもので一番のお好みだったのは、「柿の葉寿司」

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