話がつまらない人
文字数 491文字
「話がつまらない人」にすごく久しぶりに出会った。というか、ここ六年ほど、他人とのつき合いが、通り一遍の挨拶だけで済んでしまう生活を送っているので(おかげさまで)、つまらない話を長々と聞かされる機会がなかったのだ。いやー新鮮でした。つまらなさもここまでくれば天晴れというレベルだった。
で、そのつまらない人は、自動車学校の教官だった。危険回避という項目の座学で、受講生は自分も含めて三人。教室はごく狭い。そこで彼は目の玉と鼻の穴を大きく開いて言ったのだった。「私が千葉の真っ暗な道路を走ってるとね、突然前を白いものがひらひら飛んでるんですよ。いやー、ビビった。白いものがひらひら飛んでいるんです。何だと思いますか?何だと思いますか?」我々受講生が無言でいると、彼は思い入れたっぷりに声を潜めて言った。「なんと、ビニール袋だったんです」
彼はなおも「 びっくりしますよね。コンビニとかのビニール袋が道路の上でひらひら舞っているんですよ!真夜中に!幽霊だと思うじゃないですか!そうでしょう!」という調子でこの話を数分引っ張った。ちなみに来月教習所を退職して妻子が待つ千葉に戻るそうである。
で、そのつまらない人は、自動車学校の教官だった。危険回避という項目の座学で、受講生は自分も含めて三人。教室はごく狭い。そこで彼は目の玉と鼻の穴を大きく開いて言ったのだった。「私が千葉の真っ暗な道路を走ってるとね、突然前を白いものがひらひら飛んでるんですよ。いやー、ビビった。白いものがひらひら飛んでいるんです。何だと思いますか?何だと思いますか?」我々受講生が無言でいると、彼は思い入れたっぷりに声を潜めて言った。「なんと、ビニール袋だったんです」
彼はなおも「 びっくりしますよね。コンビニとかのビニール袋が道路の上でひらひら舞っているんですよ!真夜中に!幽霊だと思うじゃないですか!そうでしょう!」という調子でこの話を数分引っ張った。ちなみに来月教習所を退職して妻子が待つ千葉に戻るそうである。