5 技術の分類で分かること
文字数 622文字
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技術全体の分類を知ると、
技術と社会の関係を語る技術社会論の、
様々な名著の内容が分かりやすくなります。
例えば『第三の波』(A.トフラー)に書かれた、
文明の波を生み出す農業・工業・情報技術や、
『シンギュラリティは近い』(R.カーツワイル)の
時代を変えるAI技術は、まさに画期技術です。
それは経済・社会活動を大きく変え、
制度・政策まで変革するような技術、
文明の発展段階を分ける(
文字通り画期的な技術です。
ただし、畑や動力機関、電算機だけがあっても、
土木建築や機械、光通信といった技術がないと、
社会を大きく変えることはできないので、
そうした実現技術も不可欠です。
金属工学は動力機関、電子工学は
ソフトウエア工学はAIを可能にしたように、
実現技術は新たな主力技術を生み出してきた、
という点からも重要です。
また、『サピエンス全史』(Y.N.ハラリ)にある、
法律概念、貨幣価値などの
人を動かす技術が、政策の実現を助ける
社会工学的技術です。
もっとも同技術の学問的な定義は、
〝自然科学に加えて人文・社会科学的な
知識も利用した技術〟なので、現実の知識に加え、
虚構も重要な役割を果たすということでしょう。
さらに、文明を次の段階に進めるうえで
重要な技術が研究・開発技術です。
現代科学は
大規模であり、政策的な支援が不可欠だからです。
技術の進歩や社会、政策の変化が加速化する今、
その重要性はさらに高まっていると思います。