第3話
文字数 487文字
いきなり、朴羅野 教授が部屋に入って来た。持っていた本を机に置き、探し物を始めたが、一波 が近寄ると、慌てて本を抱え出て行った。
「今のはThe Boy Who Cried Wolf……オオカミ少年?何で、先生はあんな本を……」
一波 が首を傾げた。
「オオカミ少年って何だ?」
登呂井 が聞いた。
「知らないのか?有名なイソップ童話だ。羊飼いの少年がある日、『狼が出た』と嘘を吐いた。大人が大騒ぎするのが面白くて何度も嘘を吐いたら、誰も助けに来なくなって、本当に狼に食べられてしまうんだ」
一波 の説明に賢伊 がハッと顔を上げる。
「それだ。その童話をAIに読み込ませるんだ」
賢伊 が叫ぶ。
「え?何のために?」
「子供は悪戯で嘘を吐くものだと学習させるんだ。AIが適度に嘘を吐いたら……」
「より人間らしく見える……ってか?」
一波 が手を打って、ゲッツのポーズをした。
「だったら、俺にやらせてくれ。図書館に行ってくる」
登呂井 が俄然、張り切り出した。
「よし、力を合わせて頑張ろう」
賢伊 は2人を励まし、盛り上げる。
それから三人は膨大な資料から厳選したデータをそれぞれに与え、必死で可愛い息子の教育を始めた。
「今のはThe Boy Who Cried Wolf……オオカミ少年?何で、先生はあんな本を……」
「オオカミ少年って何だ?」
「知らないのか?有名なイソップ童話だ。羊飼いの少年がある日、『狼が出た』と嘘を吐いた。大人が大騒ぎするのが面白くて何度も嘘を吐いたら、誰も助けに来なくなって、本当に狼に食べられてしまうんだ」
「それだ。その童話をAIに読み込ませるんだ」
「え?何のために?」
「子供は悪戯で嘘を吐くものだと学習させるんだ。AIが適度に嘘を吐いたら……」
「より人間らしく見える……ってか?」
「だったら、俺にやらせてくれ。図書館に行ってくる」
「よし、力を合わせて頑張ろう」
それから三人は膨大な資料から厳選したデータをそれぞれに与え、必死で可愛い息子の教育を始めた。