第5話:多頭飼いとは? 家族以外の猫とは?

文字数 998文字

ずっと、考えていることがある。
いったい、何匹目から<多頭飼い>と呼ぶのかと。
その頃、私の周りでは、1匹で飼っている人と、2匹で飼っている人と、
なぜかそこから飛んで5、6匹以上で飼っている人に分けられた。
気持ちの上で2匹でも経済的にいっぱいいっぱいだと<多頭飼い>と呼べそうな気もするが、私の感覚では4匹目から初めて<多頭飼い>に属するのでは?
と考えている。
今の時代、ペットホテルだけでなくペットシッターというありがたい味方もいる。
猫を飼っていると旅行ができないというわけでもない。
いっしょに暮らしてみて実感したことだが、2匹で飼っているときも国内外問わず旅をしたし、3匹でも北海道へ帰省した。
(もちろんシニア猫であったり、基礎疾患のある猫であったならば、
その回数は初めからもっと少なかっただろうが……)
しかし、離れて寂しいのはなにも猫だけではない。
人間だってすこぶる寂しい。
猫が電話に出られないと頭では分かっていても、出先から電話をかけたことが何度かある。
もしかしたら、もしかしたら、ちょちょいのちょいと、ねずみのおもちゃを転がす延長で受話器を取ってくれるかもしれないという淡い期待を抱きながら、
ダイヤルボタンを押すのだ。
もちろん当たり前だが、出てくれないとため息がでるほどがっくりきてしまう。
旅を終えて帰宅すると、出迎えてくれる場合とそうでない場合がある。
さらには、出迎えてくれてもご飯を与えてから半日ほど機嫌が悪いことも多い。
そう、むしろ本当に落ち込むのは帰宅してからだったりする。
やっぱり、「2匹(以上)で飼ったほうが良い」点はいくつもあるのだ。
とはいえ、猫の寿命が着々と長くなっていることなどもあり、さすがにこれ以上、猫の数を安易に増やすことはないだろう。
……そう思っていた。

猫との出会いが増えれば、家族として迎い入れた猫だけでなく、ほかの猫に対する見方、関わり方、視野も広くなっていく。
耳慣れない病気と闘っている友人知人の猫さんや、公園や商店街に住みついている地域猫さん、動物保護団体で飼い主を待っている保護猫さん、ペットショップで売買されている血統書の猫さんや、島に住む“ノネコ”さんなど、私が直接関わったことのない猫たちにも興味や関心を持つようになってくるのだ。
そう考えると、3匹目を迎えてからわずか2か月しか経っていなかったとはいえ、4匹目との出会いは必然的だったのかもしれない。
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