qaz

文字数 1,348文字

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2月に入り1週間、クラスの男子共がざわつき始めている。

もちろん、『あの日』を控えているからだ。

qazdng

おまえら、誰から貰いたいよ?
俺は断然恋多院ちゃんかなー

えー、でもあの能力のことだから……

ヤバいところから取ってそうじゃね?

それが良いんじゃないですか
引くわー
ザワザワ

qazdng

(ふう、まったく、男の人ときたら……)
でも、バレンタイン……ですか……
――

qazdng

うん、こんな所かな

あ、ありがとう!

チョコ作るの手伝ってもらって!

お礼なんていいよ!

楽しかったから!

でも……いいなあ……
彼氏のこと?

違うよ!

そのチョコのこと!

きっと美味しく食べてもらえるんだろうなぁ……

あ、あはは……

さて、と

あらかたみんな手伝い終わったかな?

はぁ~、私を美味しく食べてくれる王子さまは現れるのかなぁ?

彼女、恋多院千代は人気者ではあったが、

体がチョコレートでできているという体質のせいで、

ある程度以上まで深く付き合おうと思う男はいなかったのだ。

qazdng

あ、千夜さんだ!

あの子は確かまだチョコ作り手伝ってないはず!

おーーーい!

あら、恋多院さんじゃない。

どうしたの?

もうすぐバレンタインでしょ?

チョコ作り手伝おうと思って!

そう、でも私は遠慮しておくわ

なんでっ!?

渡したい相手いない?

何だったら友チョコでも……

でも、私持ってこれないのよね。

千夜ミン、彼女もまた魔人であり、電波に乗って移動できる能力を持っている。

それで授業に出席しているのだが、基本的に移動できるのは彼女の体と服ぐらいである。

qazdng

そう?

でも……

……
(絶対、寂しいと思ってるよね?)
――2月14日

qazdng

ふっふーん、俺は16個集まったぜ?
残念です。僕は15個でした。あと1個あれば……

くそーっ!

なんで俺だけ義理1個なんだよーっ!

おいおい、貰えるだけありがたいと思えよ

ねえ!

チョコと一緒に告ったらOKもらえちゃった!

彼氏と夜デートなんだ!
ざわざわ……

qazdng

もう、朝から男も女も浮かれっぱなしじゃない
……

ごめん!

私帰ります!

えっ?

なんで、バレンタインの主役恋多院ちゃんが!?

あれ? あの子ケータイ忘れていってる……
――

qazdng

はぁ……はぁ……
確か、このあたりだったはず!
――

qazdng

あら?

あの子のケータイに着信が……

……
……
…………

あれ? この番号って……

私のじゃないの!

もしもし、私メリーさん。

いまあなたの目の前にいるの。

qazdng

えっ?

なーんて。(プツッ)

qazdng

ちょ、ちょっと!
これは……帰ったほうがよさそうね
――ミンの家

qazdng

じゃーん!
あなた……なんで……

寂しかったんでしょ?

本当は誰かとチョコを贈りあいたかったんでしょ?

でも、持ってこれないからって言い訳してた。

自分の体で登校すれば持ってこれるのにね。

お説教?

そんなの聞き

ちがうよ!

千夜さんが来ないから来てあげたんだよ!

……甘いのね。
そう! 私は甘いのです!

ところで、探しながら走ってたら肝心のチョコ忘れちゃった!

しょうがないから、私で我慢して

千代は上着を脱いで肩を晒す。

qazdng

い、いきなりハードル高いわね……
でも、まあお言葉に甘えさせていただくわ

ミンは千代を抱きしめてかぶりつく。

チョコレートの甘いにおいと……千代からは感じないはずの人の肌のぬくもりを、ミンは確かに感じた。

qazdng

Happy Valentine!

End.

qazdng

そこまでです!!

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登場人物紹介

恋多院 千代(れんたいん ちよ)

 

性別:女性

 

女子高生。

何年か前、とある漫画のバレンタイン回での「私を食べて!」というシーンに憧れて妄想をしていたらチョコレートの体になっていた。

見た目こそ以前と変わらないが、人間とは遠くかけ離れてしまった体の構造。

そのことを彼女は……全く気にしなかった。

むしろチョコレート大好きなので嬉しい。

たまに自分の指とか食べたりしている。

融けるからあったかいお風呂に入れないのだけが悩み。

 

能力名:ショコラボディ

チョコレートだけで全身が構成されている。

体のどの部位が欠損しても同じ量のチョコレートをくっつければ治る。

食べられることを前提としているので痛みにも鈍感になっている。

食事は普通にでき、食べたものはどんなものでも最終的にチョコレートとして分解される。


恋愛の動機:毎年2月14日が近付くにつれてチョコレートとしての食べられたい欲が徐々に高まっていく。それと連動して人恋しさも強くなるのだ。


作者:qaz

名前:千夜ミン


性別:女


特殊能力:ユーアーメリー

電波に意識を載せて、自由に移動できる。電波の濃い場所なら具現化もできるが、電波の薄い場所(山や海)などには行けず、意識が薄れてしまう。本格的に電波のない場所に出たらどうなるかは自分にもわからない(勝手に体に戻るだけ)。また、PC、スマホには意識のみで在住できる。



設定:魔人学園に通う高校二年生。低血圧で、さらにあまり体が丈夫でないことから、寝て過ごすことが多かった。本人も基本めんどくさがりなのでそれでいいと思っていたのだが、やはり同じ景色というものは飽きるので、少しでも外の景色を見たい、自分も外を自由に動き回りたいという思いが能力を生んだ。という設定にしているが、ただ寂しかったので、誰かのそばにいたかっただけで、誰もが持っているケータイに入れば一緒にいられると思ったから。

病弱ゆえに甘やかされて育ったので、少し我儘なところがある。

魔人に目覚めたことで、多少体は丈夫になったが、めんどくさがりなところは変わらないので、電波に乗って意識だけで授業に出席するなど、能力をずる賢く使っている。



相手を倒したい動機:そばにいて欲しいから


作者:knavery

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