ため息の鳥
文字数 360文字
ため息が、青い鳥となって飛んでいった。
ああ、またやっちゃった。「ため息つくと幸せ逃げるよ」って言われているのに。
もっとうまく生きられないのかなって自分に落ち込む事がほとんどだから、毎日鳥が飛んでいく。
「ごめんね、あなたたちを『幸せの青い鳥』にできなくて」
遠ざかる後ろ姿につぶやく。
もう少し自己主張してくれてもいいんだけどね、と付け足しながら。
今度こそはと思ってみても、そんなに簡単にはいかなくて。それでも、欠片だけでも幸せの姿が見えるから、私はまだ諦めずにいられる。希望はあるかもしれないって、ちょっと期待しながら寄り道することもできる。
自分を無条件で好きにはなれないけれど、それでも良いんじゃないのかなって。
「もうちょっと、頑張ってみようかな」
遠くから聞こえる鳥の鳴き声に、少し背中を押された気がした。