Tシャツと鮭
文字数 411文字
私のTシャツには川がある。
本当はこの川で何かを飼いたいんだけれど、魚達が空中でも泳げるようになった今、こんな狭いところにわざわざ入ってくれる物好きはきっといない。
なんて思っていたら、目の前に一匹の鮭。
「助けてください!熊に追われているのです!」
そう言うと、こちらの返事も聞かずに川に飛び込んだ。
ということは。
「ぎゃあああー!」
熊に追いかけられる私。まあそうなるよね。
「頑張って!頑張って!」
鮭が川の中から叫んでいるけれど、それにツッコむ余裕もないわよ!
とにかく走って走って走り回って、私はどうにか熊から逃げ切ることができた。
「ありがとうございました!」
「ゼェ、ゼェ……」
「あの、聞いてます?」
「……とりあえず休ませて」
「お礼を」
丁寧だけど自分勝手な鮭だ。
まあ、嫌いじゃない。
「ねえ」
「はい」
「お礼がわりというか、ちょっとお願いがあるんだけど」
ということで、私のTシャツにある川には時々鮭が遊びに来る。
本当はこの川で何かを飼いたいんだけれど、魚達が空中でも泳げるようになった今、こんな狭いところにわざわざ入ってくれる物好きはきっといない。
なんて思っていたら、目の前に一匹の鮭。
「助けてください!熊に追われているのです!」
そう言うと、こちらの返事も聞かずに川に飛び込んだ。
ということは。
「ぎゃあああー!」
熊に追いかけられる私。まあそうなるよね。
「頑張って!頑張って!」
鮭が川の中から叫んでいるけれど、それにツッコむ余裕もないわよ!
とにかく走って走って走り回って、私はどうにか熊から逃げ切ることができた。
「ありがとうございました!」
「ゼェ、ゼェ……」
「あの、聞いてます?」
「……とりあえず休ませて」
「お礼を」
丁寧だけど自分勝手な鮭だ。
まあ、嫌いじゃない。
「ねえ」
「はい」
「お礼がわりというか、ちょっとお願いがあるんだけど」
ということで、私のTシャツにある川には時々鮭が遊びに来る。