どのくらいの小咄を集められましたか?

文字数 2,197文字

 かつての旧ソ連にて。対談したある国の首脳が問いかける。
「書記長は小咄を集めるのが趣味だそうですが、どのくらいコレクションされましたか?」
 何しろクロコディル紙をはじめ、彼の国は優れたアネクドートの宝庫。
 ソビエトは悲劇だとしても、だからこそ名作が生まれるのだ。
 期待をこめたまなざしを向ける首脳に、書記長は言った。
「そうだな……収容所三杯分くらいか?」

 これはおそらくロシア人が作っただろうものだろう。
 だが、外国のことだと高をくくってると、それは落とし穴と言っていい。
 さて先日。
 つべの共産党公式チャンネルで、このxian22はめでたくミュート指定されたのだがw
 アカウントが表示されず、他のユーザーにコメントを送っても非表示で!
 というか返信も来ない!?
 なら、答えは確実。
 ハイ、ミュート☆
 その前にいくつかコメントも削除されてたし、状況からも間違いない。

 そして世はsns時代。
 文字に頼ったコミュニケーションは、さまざまな問題をはらむ。
 意思の伝達には大別して二つの方法をあげることができるわけだが。
 言葉によるバーバルコミュニケーションと、それ以外のノンバーバルコミュニケーション。
 もちろんだが、後者の方が比重は大きい。
 snsや動画コメントはモロ前者に当たる。
 人は口調や表情、身振り手振りなどを見て、相手の真意を探るのだけど。
 これらはそういった情報を欠くわけで……。

 まあ、彼らにとって耳の痛い内容だったからね☆
 平和憲法を守れ、軍拡は平和をもたらさない――と彼らは嬉々(きき)としていう。
 だからコメントしたわけ。

「でも無防備だったから、竹島を韓国に不法占拠されたんでしょ?」

 そうしたら投稿した直後に削除!!
 ほかにも、

「交戦国に防弾チョッキを送る行為こそ、隣国を挑発するものだ。共産党のやってるのは、戦争の種を撒きながら、平和を説くようなものだぞ」

 でこっちはミュートw
 普段あれだけ自民党に批判を超えた罵倒をする闘志は、どこへやら。
 まあ、論争を仕掛けてきたサクラを、何人も論破すればそうなるのか?
 というか彼ら議論好きのくせに、ディベート弱すぎだろ!?
 しかもこっちは敵地でやってんのに。
 圧倒的な有利を手にしてながら、なぜ何度も負ける?
 むしろこっちが困惑したほどだ。共産党の同志ちゃんたちは、インテリではなかったんかい?
 xian22が大学生だった頃。民青同盟の人に勧誘された時に、彼らは何と言ったか?
 科学的社会主義を学ぶと、騙されなくなるから一緒に勉強しよう!!
 だぞ?
 もはや宗教じみている。
 これならまだ、昔の2chとかにいたネット右翼の方がマシ。少なくとも、彼らはブロックもミュートもしない。主張はともかく、まだ対話がわずかにだができたのだから。
 共産党はムリだったけどね☆

 で。
 ナチスを生き抜いたドイツ人はこんな警句を残した。
「本を焼く者は、いずれ人を焼くようになる」と。
 一般人なら、ミュートやデリブロも分かるのだが。
 でも、お前ら公党じゃねーの?
 曲がりなりにも護憲や民主主義を謳う政治結社が、一般市民の声を削除とかさぁ……。
 自民党が同じことやれば、彼らは鬼の首を取ったようにはしゃぐだろう。
 何のことはない。全部自分らでやらかしてることじゃないかw
 共産党の憲法にかける思いなんてこんなものだったんだろうな(笑)

 去年にここで『反・日本共産党宣言!!』を著した時から何も変わっていない。
 そもそも、元党員でいくどとなく中央本部へ提言してる人も、同じことを言っていたくらいだ。
 あいつらは変わる意思がない、と。
 それでいて「革命は僕らの夢だ」など宣うのは、自分たちへの皮肉なのか?

 たしか約四半世紀ぶりに党の顔が変わるかも、と必死に喧伝していたが。

「共産党! 新しい顔よ!!
(でも顔は何も変わっていなかった)

 みたいな冗談を現実にする人たちだもんね。
 ともあれ。
 本当にどうしてミュート設定されたのかなぁ(棒)
 ああ、そうか!
 Cさんの顔写真を貼りつけた太鼓(たいこ)をバチで叩いたり、不破(ふわ)哲三(てつぞう)の模型を重機でペチャンコにすればよかったんだ☆
 共産党へのリスペクトが足りなかったんだね(笑)
 でもおかしいな。
 こちらはちゃんと護憲を主張してしたはずなんだがw
 憲法15条に反する外国人参政権に反対とか、同24条に抵触する同性婚は違憲だって。
 それにかつての国会で、9条は一個の空文、民族自決を危うくするから改定すべし、と質問した事実を(あげつら)ったり。
 あとは、そう。
 赤旗で「敵地」という単語を使わないのは平和を愛してるからだって自慢してたから、
「敵地はダメなのに、民青『同盟』や『統一戦線』が多用されるのはなぜか?」
 ってさw

 だからこんな小咄が彼らにはふさわしい。

 2024年元日。日本にて、各党の政治家たちを集めたウソつき大会が開かれた。
 自民党は「福祉のために」と(のたま)い、立憲民主党も「民主主義を実現」と大言壮語する。
 公明党が「平和と福祉」を(うた)えば、維新も「身を切る改革」を叫ぶ。
 だが、そこに共産党員の姿はなかった。
 気になった審査員が、千駄ヶ谷にある党中央本部へと連絡し、問う。
 すると彼らはこう答えたのだ。
「我々は正直を愛する、ウソなどとは無縁の政党なのです。そう、ワシントンと桜の木のように!!

 後日、優勝トロフィーが共産党に贈られたという。
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