第6話 78年前の今日

文字数 454文字

78年前に生きてたら、僕は今日どんな気持ちだったんだろ…
どうしたの急に?
自分で言うのもなんだけど…僕って、アホで、ヘタレで、面倒臭がりじゃないですか?
え~っと…反応し辛いわね…
あぁ、ごめんなさい…。


ふと、僕がもしあの時代にいたとして…って想像しちゃうと何だか怖くなっちゃって…

そうね~私たちが想像しているよりも、はるかに凄い世界だったのでしょうね…
僕………
…うん
生きてます!
えっ!?

あぁ、うん

生きているからこそ、今の「自分」を大切にしていきたいって思うんです
そうね~
今の自分を大切にしたいので…


ちょっと早いんですけど、休憩に入りますね~。じゃぁ、あとよろしくお願いします

えっ!?

コラ~~待て~!

♪フフフ~ン…

♪フフフ~ン…

あぁ~、行っちゃった…


でも、歩くんは、意外とあの時代でも生き抜く力を持ってる子かも知れないわね…


何より、今日という「大事な日」を思い出させてくれた事に感謝だわ…

嘉子さんは手を合わせ、目を閉じ、天を仰いだ。
78年前、皆さんのお力のおかげで、今の私はここにいます。

本当にありがとうございます

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登場人物紹介

粋 字引 (通称:粋爺)

旅人旅館『囲炉裏庵』の伝説の師

須磨 歩

「粋字引」師匠の弟子(自称)

囲炉裏庵の従業員

辺 嘉子

囲炉裏庵の従業員

羽祖 高範

月夜野リゾート社長

バイク旅が趣味

囲炉裏庵の常連客

紙手 文子

月夜野リゾート社長秘書

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