ふわふわタイム~

文字数 764文字

どうしても訳の分からない作品に何度かであったことがあって、その度に地に足が着かないようなふわふわした感覚に襲われました。単に私の理解力が足りていないのか、何なのかわからないけど作品が頭に入ってこない、解釈できないのです。子どもがおもちゃを広げているような、そしてその中からお気に入りの一つを見せてくれるような、そんな感覚でどうしてもそこから前に進めないのです。
例えば、見せてもらったおもちゃは私には意味のないものです。私にとって、おもちゃは「おもちゃ」という物体でしかありません。でもその「気に入っている」気持ちは共有したいから、どこを気に入っているかなぜかなど、いろいろ考えます。でもそれが出来なかった、まるで手掛かりがない。これが私にとって訳の分からない作品ということです。(ただ、ごくまれにそれが「おもちゃ」であることすらわからない本当になにこれ?というのも存在します。)だから作品に、ある程度の分かりやすさを求めてしまうのは、多分間違いではないのでしょう。
そうやって考えていると、解釈というものは付加価値なのかもしれない気がします。解釈はその作品について考える事だとして、その実「納得感」、自分にとって腑に落ちる状態を作り上げること、だと思います。
例えば、目の前にリンゴがあって、それをただ目の前にあるリンゴとして処理するのではなく、そのリンゴが実はものすごく珍しくて高いものだったり、誰かの好物であったりなにか価値をそのリンゴに加えていくことが解釈の基盤にあるものだと私は思います。
その付加価値の加え方は、作者についてとか、時代性や見た側の想像力だったり人によりけりですね。どこまで付加価値を広げる余地を作っていいのかというのはめちゃくちゃに難しいことです。解釈を殺さない程度に優しく、つまびらかにしなければならない。

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