神判の日 2

文字数 219文字

 茂末が目を開けると、眼前に凄まじい形相の赤鬼が迫ってきた。思わずその体を突き飛ばし、慌てて上体を起こしてのけ反った。だが、赤鬼は少々よろめきながらも両膝を突いて茂末の胸ぐらをつかみ、金切り声で叫んだ。
「お迎えじゃー! お迎えじゃー! お迎えじゃー!」
 パジャマの襟で首が締め付けられる。と、そのときだった。また、あの耐え難い胸の痛みに襲われた。茂末は両手で胸を鷲づかみにして掻き毟ると、そのまま寝床の上に仰向けにくず折れてしまった。
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