桃太郎 再起伝 ~鬼に殺され二週目突入!~
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文字数 2,791文字
他の人に任せることはできないのかねぇ。
あんたがそんな苦労を背負い込む必要なんてどこにもないだろう?
ゲラゲラと、今でも耳に残る笑いを響かせながら、楽しそうに、私の友を喰らったのです。
奴らだけは決して許さぬと、そう誓ったのです。
さらに成長すれば人の中で私に勝てるものはなくなります。
桃から生まれた私は、人にあらざる力を持っているのです。
あの地獄の鬼は、私が止めねばならぬのです!
ですが、勝たねばならないのです。
何か策はあるのかの?
時に桃太郎、お主は鬼に負けた一番の原因は何だと考えておる?
だが……お主は鬼どもの一撃を受けて倒れてしまったのではないか?
奴らの丸太のような腕はそれだけで凶器。獲物の金棒を使われるまでもなく、私の鎧は紙くずのようにひしゃげてしまいました。
恐らく、どれほど鎧を強化しても鬼の膂力には耐えられぬじゃろう。
じゃが、どれだけ強力な攻撃も当たらねば意味をなさん。鎧砕く一撃も、頬を撫でるそよ風と同じことじゃ。
それと、もう一つ桃太郎に聞きたいことがあるんじゃが……
儂らの家系は代々刀鍛冶じゃったから、儂も弟も同じように刀を打って生活しておったんじゃ。
儂がアヤツに勝てたのは唯一……いや、これは関係ない話じゃのう。
これをお主に渡したということは、これからお主が成長するまでの間に、この刀を超える作品を打つことはできなかったようじゃのう。
ならば儂が創る刀が鬼を斬ることができれば、儂は弟を超えることができる!!
がーっはっはっはっはっは!!!!
お腹が空けば戻ってくるでしょうし、今は放っておきましょう。
しかし、お爺ちゃんに弟が居るだなんて初めて聞きましたよ。
もう何十年も会っていないし、とっくに吹っ切れていると思ったんだけど……私もまだまだねぇ。
でも桃太郎のことも同じくらい大好きだからね。
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名前:桃太郎
言わずと知れた桃ヒーロー。
鬼ヶ島の鬼によって殺されたが、謎の存在の力で二週目を生きることになった。