1:地獄、そして再起
文字数 2,161文字
むかしむかし あるところに ももからうまれた ももたろうがいました。
ももたろうは いぬ さる きじ の さんびきをおともにつれて おにがしまへむかいました。
おにがしまのおにが わるさをはたらいていると きいたからです。
そして――
桃太郎は、鬼に負けました。
桃太郎は身動きがとれないようにして巨大なまな板の上に乗せられると、その周囲を包丁を持った鬼達によって囲まれた。つい先程も使用されたのだろう。桃太郎の周囲には三匹のお供達の毛や羽が散乱していた。
お、おおぉぉ、そうだぁ! 今度は桃太郎の家族も探し出して連れてこようかぁ! どれだけ桃太郎が弱くて、みっともなかったのかを話して聞かせながら料理してやろぉう!
きっと、きっと凄く楽しいだろうなぁぁぁ! げひゃっげひゃっげひゃっ!
こうして桃太郎は、自分に向かって振り下ろされる無数の包丁が見えたかと思うと、そのまま意識が途切れた。
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