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 駅に下り立った二人組を目にしたセオドアは、僅かに瞠目した。
 オクロウリーは憶えているよりも幾らか地味な格好をしており、ハンチングを目深に被っている。しかし、逆にその方が、彼の凛とした雰囲気を引き立てているように見えた。
 彼の噂は、曾ての大戦当時に幾度も耳にしたことがある。
 その頃の彼ら氏族(クラン)は、戦火を逃れて隠遁していた頃で、実際に戦火を目にしたことは、数える程しかなかった。おそらく、殆どの人狼族(ライカンスロープ)はそんなふうだったのだろう。
 そんな中でも耳に届く活躍は、空恐ろしい程だった。
 燃えるような髪の冷徹な魔術士と呼ばれた男は、実際に対面してみれば至って普通の、明るい雰囲気の青年といった風情だ。
 対してその連れは、予想外の風体をしている。確かにリリエンソール博士と訪れると聞いたはずだが、遠目には男性にしか見えないのだ。
 二人は旅装というには身軽な格好で、しかし博士はもう一つ頑丈な鞄を携え、ともすれば行き交うヒトビトの中に紛れ込んでしまう。
 こちらです、と手をあげると、彼らはすぐに気付いて小走りにやってくる。
「久し振り。悪いな、迎えに来てもらって」
「いえ、助かります。ええと」
 振り仰いだセオドアに明るく笑って、リリエンソール博士は手を差し出した。
「旅先では、身軽に動きたいからね。改めて宜しく、シード」
 お忍びで同行するからと、前もって宣言していたからだろう。愛称を口にする彼女と握手を交わして頷くと、悪戯っぽい笑みでそっと付け加えられる。
「そういうわけだから、グウェンと呼んでくれないかな」
「俺の方は、シャノンでもシャナでも好きなように。あと、敬語いらない」
 ちょっと落ちつかないよね、と苦笑で同調するリリエンソール博士に頷いて、彼はセオドアの背を軽く叩いた。
「よし、行こうか。現場って近いの?」
「いや、結構離れてる。途中、繁華街近くに借りた部屋の傍を通るから、まずはそちらに」
 拠点として使うのなら、宿よりも勝手が良いだろうと、高級長屋(タウン・ハウス)街の空家を一つ確保してある。セオドアとしても、わざわざ領都から通うのも面倒だったのだ。そこには、信頼のおける女官を二人、下宿屋の大家と使用人(メイド)として連れてきている。他にその場所を知っているのは、留守を守っている家令(スチュワード)と、伝令を務めてくれている従者(ヴァレット)くらいだ。
「宿だと、深夜の出入りにも気を使うだろう? 部屋もそれぞれ用意しているから、好きに使ってくれ」
「それは有難いな。滞在中は世話になるよ」
 駅を出て繁華街へ足を向けると、そのまま賑やかな通りを突っ切る。
 マクニースはプリジェンとの交易の窓口でもあり、ラドフォードの玄関口の一つだ。そのため人の出入りが活発で、周辺の街よりも他所者が目立たない。犯罪率も高いと言えた。
 わかりやすい道を辿って高級長屋へ辿り着くと、玄関の呼び鈴を鳴らす。間もなく扉を開けた使用人は、彼らを中へ招き入れた。
 屋内は典型的な細長い作りの長屋で、小さな玄関ホールから真直ぐ奥へ向かう廊下と、細い階段が上へ伸びている。脇には来客用の椅子と姿見があって、廊下に面して幾つか扉が並んでいるのが見えた。
「お帰りなさいませ。お客様方のお部屋は、三階に用意してございます」
「有難う。まず、客人の案内を。済んだらすぐに出るから」
「畏まりまして」
 彼女へオクロウリーたちの案内を任せて居間へ向かうと、大家婦人がさっと席を立つ。
「お戻りなさいませ、セオドア様」
「うん。これから現場に案内してくる。夕食には帰ってくるつもりだ」
「畏まりました、そのように。コンスタント様より、こちらを預かっております」
 差し出された書類の束をざっと確認して、頼んでいた調査結果のみを引き出した。どうやら他は、セオドアの裁可を必要とする諸々のようである。残りを大家婦人へ返して、手早く調査結果を畳んだ。
「裁可は戻ってからやる。残りは僕の部屋へ」
「畏まりまして」
 それから、と楽しげに目を細めたセオドアは、そっと重大事を告げる。
「今夜はラドフォードの名物を。折角来ていただいたんだ、存分に腕を振るってくれ」
「はい。それはもう」
 笑顔で頷く彼女へ軽く手を振って、居間を後にする。
 玄関ホールへ戻ればオクロウリーたちはまだのようで、セオドアは椅子に腰掛け調査結果へ目を通した。
 気象に関しては、やはり局地的なもののようだ。事件当日は近隣も含めて穏やかに晴れていたようで、雲も薄くかかっていただけらしい。
 ただし特記事項として、星の観測を行っていた学徒が、急速に沸き上がる雲を目撃したという報告が上がっていた。彼がいたのは遠方の街で、地平線にそのさまが見えたらしい。あまりに無気味な出来事に、教授へ報告したものが、こちらにも上がってきたとある。
 雨を喚ぶ魔素生物については、該当するものが見当たらないようだ。
 そもそも、局地的にでも雨を喚べるのならば、古い時代から丁重に崇められていそうなものである。
 今よりも灌漑技術が未熟だった時代。特に農業は、常に天候に振り回されていた。洪水も怖いが、何よりも恐ろしいのは旱魃だ。東方では、非合理的な雨乞いの儀式を執り行うことも、度々あったと聞いた憶えがある。
 暫くして階段から足音が響き、待ち人たちが下りてくるのが見えた。彼らは斜掛けの鞄だけを引っ掛けた身軽な様子で、報告書をポケットに突っ込みながら立ち上がったセオドアに気付くと、軽く手をあげる。
「悪い、待たせたな」
「いや、大丈夫。それでは行こうか」
 いってらっしゃいませ、と使用人に見送られて高級長屋を後にすると、セオドアは通りを突っ切った。
「これから向かうのは、少し治安の悪い場所で。グウェンが男装してきてくれたのは、正直助かった」
「旅する時はいつもそうなんだけど、特に今回は、被害者が破落戸ばかりと聞いていたからね。何か、他にわかったことは?」
「身元は割れた」
 こちらは、シャフツベリ氏族の手柄と言えるだろう。彼らは根気良くあちこち回り、情報を掻き集めてきてくれた。
「どうも、他国の者のようだ。詳しくは現在問い合わせ中だが、西方から流れてきた節があるな」
 全員か、と訝しくオクロウリーが尋ねて、セオドアは頷く。
「徒党を組んでいた疑いがある。まだ他に仲間がいる可能性があるからな、引き続き探ってもらっている最中だ。何処かで指名手配されていれば、早くに回答があるだろう」
 幾つか角を曲がり、何処か薄汚れた街角を足早に過ぎた。領都から物理的に離れるほど、こうした暗部が色濃く影を落としている。いずれ払拭できればと考えているが、シャフツベリ卿のように思いきることは出来なかった。
 コハクのいう通り、いつも迷ってばかりいる。
 やがて辿り着いた三件目の事件現場は、痕跡が発見されて以降、コハクから譲られた人払いの呪符で現状保存している。
 ちらりとそれを横目に見たらしいオクロウリーは、注意深く辺りへ視線を走らせ、ふと目を細めた。
「……わざわざこんな所で、なぁ」
 ぽつりと零れた一言に頷いて、セオドアは足許の石畳を爪先で蹴る。
「遺体が倒れていたのは、この辺り。ここへ入り込んだ目的は不明。この先は袋小路になっているんだ。痕跡が残されていたのは、そちらのほう」
「樽だっけ? 血痕が散ってたの」
 遺体発見場所を一瞥し、オクロウリーは奥へ足を向ける。そうして、曲り角でぴたりと足を止めた。足許をじっと見つめて、リリエンソールを振り返る。
「グウェン、この辺りで試してみよう」
「うん、ちょっと待って」
 後に続いたリリエンソールは、肩から斜めに引っ掛けていた鞄の中を探ると、霧吹きを取り出す。その間に辺りを見回していたオクロウリーは、樽の前でしゃがみ込んだ。
「……あった。これだよな? 痕跡。この角度でこう伸びてるから……、うん、そこだ」
 宜しく、と促されて、リリエンソールは足許へ、ぷしぷしと霧吹きの中身を掛け始める。
 何をしているんだろう、と少し離れて見ていると、オクロウリーが黒い布を取り出し、セオドアを促す。端を持って翳すように広げてやると、足許にぼんやりと青白い光が浮かび上がった。
「おお、ばっちりじゃん」
「うん、成果は上々だね。バルド師にも報告しなきゃ」
「これは?」
 尋ねると、リリエンソールが手にした霧吹きを軽く振ってみせる。
「試薬だよ。まだ実験段階だけどね、振り掛けてやると、血中成分に反応して発光するの。雨に流れた程度なら、反応するかもと思って」
「しっかし、予想外に散ってるなぁ」
 ふむ、と難しい顔で足許を見渡したオクロウリーは、セオドアの視線に気付いたのか、ふと目許を和らげた。
「いや、な。血痕があるなら、何らかの理由で、何者かが出血したってことだろう?」
「飛び散り方を見ると、何かを盛大に切り裂いた感じかな?」
「で、振り抜いた切っ先から飛んだ血が、あすこまで届いた、と」
 二人の言葉を聞きながら、セオドアは読み込んだ資料の記述を記憶から掘り起こす。
「……被害者に、切り傷は見られなかった」
 何より、被害者は人間だ。残された血痕からは、未だ魔素が零れ落ちている。
「じゃぁこれは、加害者か、別の何か」
「少なくとも、雨が降る前に血痕は散ってるね。もしこの辺りが水浸しになっていたら、こんなふうには残らないもの」
 他の現場でも同じように見つかるなら、加害者の仕業の可能性が高いな、と。
 布を回収し畳みながら、オクロウリーは軽い口調で付け加える。
「もしあるとしたら、被害者の死角になり、雨に確実に流される所」
「その雨だが、明らかに降り方がおかしいことがわかっている。急激に沸き上がった雲に依る、局地的な大雨のようだ」
 そういう魔獣に憶えはないけれど、と軽く眉根を寄せて考え込むリリエンソールは、ふと思い付いた風情で眉を開いた。
「雨と、この血痕に意味があるとして、どう繋がるんだろうね? どうして雨が降るの? 視界を遮るため? 血痕を洗い流すため? それとも、別の意味があるのかな」
「その先を考えるのは、他の現場にも血痕があると確認できてからだな」
 オクロウリーが執り成して、布を自分の鞄へ押し込むと、セオドアへ視線を向ける。
「このまま、巡って確認する?」
 刹那迷って、彼は頷いた。一瞬、従者のことが頭を過ったが、それぞれの現場はさほど離れていない。いちいち彼らの手を煩わせる必要もないように思えたのだ。
 大丈夫。きっとため息はつかれるだろうが、アーウィンはセオドアの行動を否定することはない。
「今日のところは確認までで終えて、考察は帰宅後に。夕食を頼んでいるから、あまり遅くならないように帰りたいな」
「了解。よし、次に行こうか」
 促され、セオドアは思案げな表情を浮かべる。
「どちらを先に行こう? ここからだと最初の現場の方が近いんだが、二番目の現場は日暮れ間際に通りかかるのは避けたい。主に、治安の問題で」
「あー、無駄な労力は使いたくないな。遠回りでも安全第一で」
 それならあちらだな、と踵を返すと、リリエンソールが慌てて霧吹きを鞄へ突っ込んで後に続いた。しんがりに続くオクロウリーは、最後に辺りを一瞥して歩き出す。
 二番目の現場は、賭場の裏手を少し行った所だった。
 勿論、合法のわけはなく、近辺一帯は、随分と如何わしい雰囲気をしている。一本裏の通りを行けば女が街角に立っており、それぞれ客を取り合っているのだ。陽が落ちればそれらを求めてヒトが集まり、この一角は奇妙な熱気に包まれる。
 なるべくそちらへ近付かないようにと道を選んで歩いていると、妙に感心した風情でリリエンソールが「ふぅん」と呟いた。
「何処にでもあるよねぇ、こういうの」
「……グウェン。まさかとは思うけど、行ったことあるとか言わないよね」
「流石に、賭場はないなぁ。花を売ってるヒトのところへは、お仕事時間前後に話しを聞きに行ったり」
 買ってあげられないけど交渉次第で良い情報くれるんだよ、と平然と応じるさまを唖然と見上げると、気付いたオクロウリーが苦笑を浮かべて軽く肩を竦めてみせる。
「ええとそれは、金で、ということだろうか」
「んん、ああいうヒトはね、ちょっと違うかな」
 金なら、己の身一つで幾らでも稼げるのだ。しかし彼女らには、どうしても手の届かない物が、幾つかある。その一つが、薬。
「魔女だと名乗った方が早いんだよ。彼女たちは昔から、魔女には世話になってるからね」
 普段の治療薬から避妊、堕胎の薬まで、魔女の知識は彼女たちには必要不可欠なのだ。しかしその生きざま故、表立って訪ねることは出来ない。通常は流しの魔女を頼るのだが、必ず訪れてくれるとも限らなかった。
 だから、おおよそ需要のある辺りを用意しておけば、欲しい情報は大体手に入る。
 淡々と語る言葉を、声もなく聞いていると、オクロウリーが徐に口を開いた。
「本当に、グウェンは立派に魔女様だなぁ」
 まだ未熟だけどね、と仄かに笑う彼女へ、飄々とした風情で言葉を重ねる。
「今回も、場合によっては頼むかもしれないけど?」
「ん、大丈夫。人狼(ライカンスロープ)はそっちに回れないって聞いて、用意はしてあるから」
 でもどうして? と小首を傾げる彼女に、オクロウリーは微妙な表情を浮かべた。
「それ、聞いちゃう? 下世話な話しだけど、使い物にならないからだよ。丸っきり身体の作りが変わっちゃうから」
 え、と素頓狂な声をあげたリリエンソールは、目を丸くしてオクロウリーを見遣る。
「そっち?」
 言わせてごめんなさい、と肩を小さくした彼女に「全くだよ」と応じて、オクロウリーはセオドアの背を軽く叩いた。何となく見透かされた気分で見上げると、悪戯っぽい眼差しが一瞥し、何事もなく逸らされる。
「野郎がそういうところ行って、何にもしないで帰るってわけにもいかないし。流石に、自分は人狼だから無理だって言えないじゃん? その時点で門前払いだし」
「ええと、それは体液の?」
「人型のときは、それほどでもないらしいよ。ただの偏見による差別。ヤることヤれないなら金にならないってのもあるんじゃない? で、俺はどこまで語ればいいのかな」
 ごめんなさいもう充分です、ときっぱり遮って、彼女がぺちりと自分の頬を叩いた時、二番目の現場に到着した。
「あ、と。ここだ、二番目の現場。遺体発見者は、仕事上がりの商売女となってる」
 そこは路地途中の小広場で、発見者は毎朝そこを通って帰宅していたらしい。夜のうちに激しく降り続いていた雨もあがり、ひんやりと冷えた石畳の上に、男が潰れていた。
「あちらからこちらへ通り抜けようとして、ここに遺体を見つけたそうだ」
 爪先で蹴りつけた辺りに頭があり、足は小広場の方を向いていたらしい。
「一件目も、似たような小広場で倒れていた。連続したため、小広場を中心に警邏を強化したようだ」
「そうしたら、次はさっきの路地裏か。ここは、隠れられそうな場所がないな」
 一件目もそうだったと告げると、オクロウリーは難しい表情で小広場を見回す。そうして空を仰いで、首を傾げた。
「序でに、仕掛けを作る余地もない。上、住居だよな?」
「あぁ、そうか。住人に見つかっちゃうものね」
 嫌な予感しかしないなぁ、と呟きながら鞄を探った彼は、艶のある真っ黒い珠を取り出した。小首を傾げてセオドアが手許を覗き込む。
「それは?」
「友人の絡繰士から借りてきた。問題は、まだ残ってるかな、と」
 小広場の端へ歩いていった彼は、石畳の上に置いて暫く観察した後、少し考えて遺体が倒れていた辺りへそれを放った。かつん、こつんと跳ねながら転がったそれは、小広場の中央を通り過ぎ、路地に差し掛かる辺りで赤く光る。
「あった。うわー、やっぱりか」
 うんざりとした風情で呟いて、オクロウリーは小走りに珠を追い掛けた。かつん、と壁にあたって跳ね返ったそれを拾い上げ、赤く光った辺りへ戻ると、しゃがみ込んで珠をあちこちへ翳す。そうして、リリエンソールを振り返った。
「グウェン、この辺り噴霧してみて」
 手招かれて頷いた彼女に続いて傍まで来ると、手の中にある珠は赤々と輝いている。じんわりと内側からにじみ出るような輝きは、あまり見たことがないものだ。
「この辺り? ねぇ、それなに?」
自動人形(オートマタ)の部品だよ。魔素の増幅器。僅かな物でも吸収して、蓄積する性質があるんだってさ。大昔の杖の材料でもあるな」
「つまり、この辺りに魔素があるということ?」
 霧吹きを取り出したリリエンソールが、近辺へ薬試薬を吹き掛ける。布を広げて翳したそこには、やはり盛大に飛び散ったさまが、青白く浮かび上がった。
「……これ、どういうことだろう?」
 眉根を寄せたリリエンソールに対し、オクロウリーは難しい顔で唸る。
「被害者がやって来たのは向こうから。真ん中辺りまで来たのかな。ここに立つ不審な人物に気がついた。その手には刃物。慌てて踵を返して、あの場所で」
 ぐしゃり、と。人指し指を軽く振って、セオドアへ視線を寄越す。
「どう思う?」
「……魔術、だろうな」
 俺もそう思う、と大儀そうな声で応じて、盛大にため息を落とした。どういうこと、と目を丸くしたリリエンソールに視線を向けて、オクロウリーは珠を彼女へ差し出した。
「大昔、世界には魔素が満ちていた。それこそ大気中に大量に。その頃の魔術士たちは、こいつを杖につけて魔素を集め、魔術を編んでいた」
 珠を彼女へ預けると、立ち上がったオクロウリーは布を手早く畳んで仕舞う。
「現在、大気中に魔素は含まれない。だから魔術は喪われた。……だけどさ、魔素自体はなくなってないんだよ。例えば、グウェンが言う魔獣たちの体液」
「それを使えば、魔術が編めるってこと?」
「血痕があったと聞いた時、まず浮かんだのがそれだった」
 じゃぁ雨は、と問われて、彼は僅かに眉根を寄せた。
「この出血量と豪雨の規模は釣り合わない。だからきっと、傷つけられた奴自身が喚んだんだろう」
「その子の悲鳴ってこと? そんな、そんなの」
 以上を踏まえて該当するモノは、と真直ぐ見据えられて、リリエンソールは口元を引き結んだ。そうして、見つけてみせる、と頷いたのだ。
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