第1輪 薔薇の宴
文字数 2,192文字
イナンナ族の吸血鬼、エドガーは、妹のイシュタルと共に放浪の旅を続けていた。
旅立った二人はやがて、ケイオーンの村に辿り着いた。
イシュタルはそう言いながら、村外れの空き地に巨大な洋館を一瞬で建てた。
豪華な豪邸とも言えるそれを見て、エドガーは金切り声を上げた。
渋々文句を言いつつ、二人は洋館の中に入っていく。
適当に家具を調達し、リビングにて寛ぎ始める。
暴れるエドガーを宥めながら、イシュタルは血の滴るようなステーキを作り、彼に提供した。
エドガーは文句を言いながら、ステーキにかぶりついた。
まずポーツネル一家がアランの住む街に引っ越すね。
エドガーは危ない橋を渡ってアランに惹かれ、なんだかんだでメリーベルと養父母を失う。
そしてエドガーはアランに血を与える。
アランの目が覚めるのを待ちつつ過去編が始まる。
イシュタルは適当に返事をし、真っ赤なワインをグラスに注ぐ。
エドガーは一気に煽ると、クダを巻きながらイシュタルに更に絡む。
そう言いながら、エドガーは走り出し玄関ドアを開けた。
外は闇に包まれており、星が光っている。
猛ダッシュで家から飛び出す彼を、イシュタルは遠い目で見送った。
イシュタルはハタキ、箒とチリトリを手に取ると、家の中の掃除を始めた。
床磨きが終わる頃、エドガーは両手に赤い薔薇を山と抱えて帰宅する。
エドガーは薔薇をテーブルに雑に置くと、赤い薔薇を鷲掴みにしてそのままかぶりつく。
騒ぎ立てるエドガーに手刀を食らわせ、イシュタルは彼をベッドまで運んだ。
目を回すエドガーを見ながら、イシュタルは今後の憂鬱な生活について想いを馳せた。