第１６話　謎の人物との出会い

知恵の石の力を解放し、古代の文字を解読した翔とユウは、さらに深い謎に迫るために城の地下室を再び訪れた。古びた祭壇がある部屋で得た新たな手がかりをもとに、二人は次なるステップに進む準備を整えた。

その夜、翔は再び夢の中で城に戻った。今回は、夢の中で出会ったことのない謎の人物が現れるという奇妙な出来事が起こった。夢の中の城の廊下を歩いていると、遠くから足音が聞こえてきた。

「誰だ？」翔は警戒しながら声をかけた。

すると、黒いローブをまとった人物が現れた。その顔はフードで覆われており、正体は見えなかった。しかし、その存在感は異様なほど強く、翔は緊張感を覚えた。

「君が翔か。」謎の人物は静かに言った。

「そうだ。君は誰だ？」翔は勇気を振り絞って尋ねた。

「私はアーサー・グレイ。かつてこの城を守り、知恵の石を守るためにここにいる。」謎の人物は答えた。

「アーサー・グレイ…君がこの城の秘密を知っているのか？」翔は驚きと興奮を抑えながら尋ねた。

「そうだ。君たちが知恵の石の力を解放したことで、私は目覚めた。君たちにさらなる手がかりを与えるためにここにいる。」アーサーは続けた。

「次に何をすればいいのか教えてくれ。」翔は真剣な表情で言った。

「知恵の石の力を完全に解放するためには、三つの試練をクリアしなければならない。それぞれの試練は、城の中に隠された特定の場所で行われる。」アーサーは説明した。

「三つの試練…それをクリアするためにはどうすればいい？」翔は興奮と不安が入り混じった声で尋ねた。

「まず第一の試練は、勇気を試される場所だ。君の心の強さが試される。その場所は、城の北翼にある古びた図書室だ。」アーサーは答えた。

「わかった。ありがとう、アーサー。ユウと一緒にその試練を受ける準備をする。」翔は決意を新たにした。

翌朝、翔は目を覚まし、夢での出来事をユウに話した。ユウは興奮と共にその話を聞き、二人で第一の試練に向けて準備を整えた。

「古びた図書室に行って、試練を受ける準備をしよう。」翔は地図を広げながら言った。

「うん、アーサーが言っていた通り、そこに何かが待っているはずだ。」ユウは同意し、二人で計画を立てた。

その週末、二人は再び城に向かい、北翼にある古びた図書室を目指した。城の中は静寂が漂い、緊張感が増していた。

「ここが、古びた図書室だ。」翔は扉の前に立ち止まりながら言った。

「気をつけて進もう。何が待ち受けているかわからない。」ユウは慎重に言った。

二人は扉を開け、古びた図書室の中に足を踏み入れた。そこには無数の古書が並び、埃が積もっていた。室内は薄暗く、重々しい雰囲気が漂っていた。

「まずは、この図書室を調べてみよう。何か手がかりがあるはずだ。」翔は提案した。

「うん、アーサーが言っていた試練がここで始まるのかもしれない。」ユウは同意し、二人で図書室を調査し始めた。

図書室の中を進むと、奥の方に一冊の特別な本が目に留まった。それは、他の本とは異なる装丁が施されており、まるで何かを守っているかのようだった。

「この本に何かが隠されているかもしれない。」翔はその本を手に取り、慎重にページをめくった。

すると、ページの中から光が溢れ出し、部屋全体を包み込んだ。翔とユウはその光に包まれながら、第一の試練が始まることを感じ取った。

「これが、第一の試練だ…」翔は決意を新たにし、試練に立ち向かう準備を整えた。未知の冒険が、二人を待っていた。