第２１話　地球の歴史の断片

過去の記憶の断片を探し当てた翔とユウは、次なる手がかりとして、巻物に書かれた「地球の歴史の断片」を探し出すことに決めた。彼らは城の図書館に戻り、古代の書物や巻物を再度調査し始めた。

「この城には、地球の歴史に関する貴重な情報が隠されているはずだ。」翔は古びた書棚を見つめながら言った。

「確かに、過去の記憶が映し出された鏡の映像からすると、この城にはまだまだ多くの秘密が眠っているみたいだね。」ユウは同意し、慎重に書物を探し始めた。

二人は図書館の隅々まで調査を続け、ついに地球の歴史に関する古い巻物を見つけた。その巻物には、地球の文明がどのように発展し、そしてどのように滅亡していったかが詳細に記されていた。彼らはその記述を読み進めるうちに、いくつかの重要なポイントに目を奪われた。

「翔、見てこれ。地球が滅んだって書かれているけれど、どういうことだろう？」ユウは混乱した表情で尋ねた。

「地球が滅んだ…そんなことあり得ないよね。僕たちは今ここに生きているし、地球もここにある。」翔も困惑しながら答えた。

「じゃあ、どうしてこんなことが書かれているんだろう？」ユウはさらに巻物を読み進めた。

「ここに書かれているのは、地球が他の宇宙へ文化を伝えるために選ばれた人々についてだ。」翔は指を巻物の上に走らせながら言った。「彼らは、特別な方法でその使命を果たしているらしい。」

「特別な方法って何だろう？」ユウは興味を引かれた様子で問いかけた。

「具体的な方法は書かれていないけれど、彼らが何度も繰り返し行動していることが重要みたいだ。」翔は考え込みながら答えた。

その時、部屋の扉が音を立てて開いた。アーサー・グレイが現れ、静かに彼らに歩み寄った。

「アーサー、どうしてこの情報がここにあるんだ？地球が滅んだって書かれているけれど、地球はここにあるよね？僕たちは今生きているのに、なぜ地球は滅んでいると書いてあるんだ？」翔は混乱した表情で疑問をぶつけた。

アーサーは一瞬考え込み、慎重に答えた。「君たちが今生きているこの場所が、地球だと思っているのは無理もない。しかし、君たちが見ているのは地球の幻影に過ぎない。真実は、地球は遥か昔に滅びた。しかし、その文化と記憶を未来に伝えるために、選ばれた人々が存在するのだ。」

「どういうこと？幻影って？」ユウはさらに困惑した。

「説明するのは難しいが、君たちは特別な存在であり、特別な場所にいる。ここは現実と異なる時間軸に存在する場所であり、地球の記憶を保存するための一種の保護区だと思ってほしい。そして、この試練は真実に目覚めるための重要なステップだ。君たちが今までに得た知識と経験を使い、真実に到達するための準備をする必要がある。」

「真実に目覚めるための試練…それが今の試練の目的なんだね。」ユウは少し納得したように言った。

「そうだ。この試練を通じて、君たちは地球の真実と自分たちの使命を完全に理解することになる。」アーサーは静かに続けた。「地球が滅びた理由や、その後の歴史、そして君たちが果たすべき使命を理解するために、試練を通して得られる知識が必要なんだ。」

「でも、どうやってこの試練を乗り越えればいいの？」ユウは依然として不安を抱えていた。

「君たちは既に多くの試練を乗り越えてきた。その中で得た知識と経験が、次の試練に必要な力となる。この巻物に記されている情報を元に、新たな扉を開く手がかりを見つけ出すことが求められる。」アーサーはそう言って、部屋の中央にあるテーブルに巻物を置いた。

翔とユウは再び巻物に目を通し、記されている情報を読み解くことに集中した。彼らは地球の歴史と自分たちの使命の関係を理解し、新たな冒険に向けて準備を整えた。

「次の試練に挑む準備はできた。」翔は決意を込めて言った。

「そうだね。私たちならきっと乗り越えられる。」ユウも同じように決意を固めた。

二人は新たな手がかりを手にし、城の奥深くへと進んでいった。彼らの冒険は続く。地球の文化を守り伝える使命を果たすために、翔とユウはさらなる試練に挑む決意を胸に秘めていた。