狙った感と妄想・・・

文字数 1,913文字

 処女作『アルタクティス ~ 神の大陸・・・』の執筆には、本当に長い年月携わっていました。

 細かく振り返れば、すでにお話しましたが、始まりは高校3年・・・あ、それは空想と妄想を実際に小説にし始めた時だから、もうちょっと前・・・洋画に夢中になってメモ書きをやりだした時になるのかな。原型はもうほとんど忘れましたが、今思えば、とにかく妄想がひどかったことだけは覚えています。高校からアルバイト命だった私は、仕事中でも、ふと思いつけばメモってたっけ。個人経営の小さなラーメン屋だったので、平日夜のウェイトレスは私一人だったから。

 ただの妄想の暴走だけでやってたことのはずが、大学でOA実務が必修であることをきっかけに、ブラインドタッチの練習がてら小説にしてみることになったわけなんですけど、大学生になって彼氏(旦那=我が家のラスボス)ができたり、パステル画を学びだしたり、就職したりと、大人になるにつれ、完全自己満足でやってた小説を書くという趣味にとれる時間は、ほとんど無くなりました。

 で、そのまま結婚して、子供ができると小説を書くことからは完全に離れてしまい、何年もブランクがありました。当時は別のメインタイトルだった『アルタクティス』は未完のままです。

 でも、中途半端が嫌いな私・・・。メモ書きから小説にしだしてからは思い入れも強かったので、例え自己満足の虚しい作品でも書き上げたい気持ちはずっとあり、気にはなっていました。

 でも、ある時、状況が変わりました。子供がある程度成長すると、意外と時間ができたんです。子育てはそれなりに大変でしたが、だんだん手もかからなくなってくるし、でもまだ子供だけにできないから無職のままで。一番は、旦那の職業柄、子供を寝かしつけたあとの夜は存分に執筆作業にとりかかれたこと(代わりに寝坊がひどかったですが)。

 さらには、絵本のイラストレーターという夢も(つい)え、ハードパステルは見た目がお菓子みたいで危ない(子供が口にいれてしまう危険がある)し、一度道具を広げたらなかなか止められないことから、逆転しました。つまり、パステル画の道具は封印となり、パソコン一つで手軽にできる小説を書く趣味を、再開できるようになったんです。

 そして、執筆作業を再開したある日のこと。たまたま知ったのが〝web小説投稿サイト〟というものの存在。もっと調べてみれば、いつの間にか(あったのかもしれませんが)ライトノベルなんてものがある。こんな感じでもいいなら(注:決してナメてるとかそういう意味ではありませんm(__)m)出せるかも・・・と思い、勇気と手を出してみました。

 そういうわけで、再開したその時点でも、若い頃の感覚からだいぶ変化していたので、webにあげる時には簡単に書き直しながらでしたが、その一度目の改稿ではライトノベル感が強くなりました。

 今、改めて改稿作業を進めるうえで見直してみれば、(つたな)いだけでなく視点も怪しい箇所がいくつもあるし(これについては改稿後もよく直す・・・)、神視点でも、三人称単一視点でも自由間接話法でもない、もはや個人的な自分視点・・・つまり赤面の狙った感と妄想の数々・・・。

 さらに歳と経験を重ねて、文学を知りました。

 以前は、こんな創作活動について誰かと楽しくお喋りできることがなかったので、知り合えた同士たちの存在はとても大きく、そのうえいろいろと勉強させてもらえて感謝しています。勇気を出して一歩踏み出して(初めて交流して)みて、本当に良かった。

 結局、リアルも大事なので自分の小説を書く時間がとれなくなってきて、そのサイトからは離れましたが・・・。でも離れる挨拶をして回った時には、「何かあったらお互い気軽に連絡取り合おうね(マイページにメッセージを書きこむこと)。」と伝え合って去りました。

 小説は「書きたい!」という衝動に駆られれば書かずにはいられなくなるので、それが起こる限りは書き続けたいと思っていますが、感性や趣向、筆致が今とは違うものとはケリをつけたい・・・そう、学生時代の自分と。

 そういうわけで、今度は集大成のつもりで本格的に改稿している『アルタクティス ~ 神の大陸 自覚なき英雄たちの総称 ~ 』。作者(自分)にしか分からないだろうけど、初稿はもう訂正だらけで真っ赤っかです。

 そしてケリをつける作業というのは、そんな個人目線の主観的な表現を消す作業。

 でもそのシーンや会話を無くすと話が繋がらなかったり、やり過ぎるとつまらなくなるので、その作業はまさに、「さあ、ここから(いい感じに)(ねら)った感と妄想(もうそう)ぬいてみろ。」って言ってくる、若い自分との戦いです 。











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