第2話

文字数 423文字

家に着く。共益費込みで家賃四万7千円の安アパート。都内で1Rのユニットバス付きの最低価格。ギリギリでカッツカツの男が必死で見つけた城。誰も待っていない部屋だけど、とりあえず“ただいま”と一人寂しくも呟いた。結構気に入ってるトートバックだが、軽くその辺の適当な所に投げて置く。床掃除、最近てんでしてないのに。TVを点ける“カチャ”電源が入り、画面に光が灯る。すると流れてきたのは、最近巷を賑わしてるヴィジュアル系バンドの演奏だった。その瞬間目に飛び込んできたのは俺と同い年ぐらいの男。顔で言えば、男の俺が言うのもしゃくだけどイケメンの部類に入る。要は女受けする顔。ダークブラウンに染めた髪をワックスでツンツンに立たせ今どきのロックスターを地で行くタイプだと画面から伝わって来る。なんか今、ちょっとムカついたけど、その後しばらく見入ってしまった。で今日は疲れたから、この後シャワーも浴びずにすぐに寝た。シャワーは、朝浴びればいい。いつもそうしてるし。
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