たまたまの再開(会)

文字数 697文字

私は高三、折原君は高ニ。折原君が、たまたま学校に来てた私を見つけて声を掛けてくる。

「あれ? 鹿島先輩だ。おっ久~」
「あら、折原君。無駄に元気ね」
「無駄にって、酷いなぁ」
「無駄だもん」
「ま、いっか。で、先輩は何しに来たんですかぁ? 何か言い忘れとか?」
「言い忘れ? そんなの無いわよ。部室の忘れ物思い出したから取りに来たのよ」
「今頃?」
「そうよ。悪い?」
「悪くはないけど。三年生は受験で自宅待機じゃないですか」
「私は推薦で一発オッケーだったの」
「おっ。それはおめでとうございます。じゃ、今は暇人だ」
「今は暇人だけど、推薦取るのに必死だったから、他の人より早く地獄を見てたのよ」
「お疲れ様でした」

折原君に言っても分からないか。まだ二年生じゃな…。

「まぁ、暇だったから来たのよ。ついでに打っていこうかなって思ったから昼休みに来たの。じゃね」

折原君に手を振ってさっさと球技室に向かう。折原君の声がついてくる。

「ピンポ~ンですね」
「卓球」
「同じですよ」
「折原君が言うと品格が無くなるのよ」
「ひっどいなぁ」

球技室まで来た。

「折原君は卓球には縁が無いでしょ。ここまで」
「え~」

(笑いながらも不服そうな顔してるのは何でよ?)

「それとも何? まだ恨み持ってんの?」
「い、いえ。恨みなんかないですよ」

私が折原君に言った「恨み」とは、部同士がもめた時に発生した。
男子テニス部と男子卓球部は仲が悪かった。その仲裁役というトバッチリを受けたのが女子卓球部の部長をしていた私だった。
予算の奪い合いがあって、体育祭で線を出た出ないでもめて、文化祭で出し物が重なってもめて、試合結果で自慢し合って…。
そんな中、事件が起こった。

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