3月6日 るるせ様VS秋照

文字数 1,859文字

名前 魔王


勇者が暮らす王国の王様

国民に重税を課し、重労働を強いることによって成り上がってきた


3度の食事より人が苦しむ姿を見るのが好きで、国民に重税を課しているのも、重労働を強いるのも苦しめるのが目的である

しかしながら、魔王の圧政により国は繫栄しており、現在の魔王に逆らおうとするものは少ない

税金を払えない国民は収容所に送り殺しているらしい

勇者:フョードル・阿・機内【ふょーどる・あ・きない】通称:フョードル


その地を治める魔王に両親を殺され、幼稚園生だったフョードルは銃殺されることに。

だが、魔王の誕生日で恩赦が下り、収容所送りになる。

収容所からの開放後は、男娼に身をやつすしかなかった。


だが、賢者:トル・ストイに収容所で鍛えた腕を買われ、傭兵になる。

戦地に赴いた勇者フョードルは伝説の勇者の墓に刺さった剣を遊びで抜き取ろうとしたところ、本当に勇者の剣を抜くことができた。

賢者トル・ストイはフョードルが勇者になることを最初から知っていたのだ。



そして、勇者は勇者となり、魔王の住む城に向かった……。

本編

akiteru

勇者、到着!! やっとここまでたどり着いたぜ!!
きたか
長い道のりだった……。
そうだろう、何しろ、世界中を旅してまわっていたのだからな

お前に私の手下と、配下で統治していた貴族が倒されたぞ

そしてついにここまで来るとは

はははっ、やはり勇者なんてやる人間は暇なやつが多いなあ

人々に無茶な重労働を課している奴の台詞かよ、魔王!! やっぱりお前は……魔王だな!!
ふふふっ、魔王?

いいや、私は魔王ではない

なぜなら、多くの人々に支持されているからだ

お前が本当に勇者なら、剣など使わず人々に呼び掛けて暴動を起こせばいいじゃないか

人々が私を魔王だと思うなら、人々はお前に味方して、私を倒しに来るはずだ

その饒舌さ……。

それが人々を惑わせてきた。

今も重税を強いられているのにのんきにお前を支持し続けているひとはたくさんいる。

だが、お前のその魔力を無効化された人々もいるってわけさ。

…………おれみたいな奴が、な!!

ほう、興味深い
お前の手下や統治している貴族たちを倒す旅をしている間、

おれの仲間たちもその命を散らしていった。

お前を倒すことだけを考えながら……みんな散っていっった。

ようやくおれがたどりついてみたら、自分は魔王じゃない?

ハハッ! 笑わせてくれるぜ!!

例えば君は、私が支配する前の世界がどんなところだったか知っているか?

人々は魔物におびえ、怯えるがあまり人間同士で戦争をしていた

それがどうだ、私が支配したとたん、人々は争いをやめた

お前だけが、唯一争いをやめない

「従っていれば、そのときだけは争わなくていい」……みんなそれを「解放」だと思っている。

裏でお前は人々を「黙らせている」、その代表が『収容所』。おれは収容所出身だ。

幼いときからみんなの苦しみをみてきた。

なぜそんなことをする? それはお前がその玉座に座っていたいからじゃないのか?

もう、「お前じゃなくても統治できる国」になったそこで、

まだ自分が玉座についていたい、そのために、おまえは「黙らせている」んじゃないのか?

ふっ、本当にそうかな?

例えば私が見てきたある人物は、これから戦争に送られ死んでしまう騎士を黙って見届けていた

彼は騎士ではなかったから

王都の外れの貧しい村でお腹を空かせている子供を見たとき、その子にパンを与える人間はいなかった

彼らは貧しくなかったから

前国王が処刑台に送られたとき、人々はずっと黙っていた

彼らは王ではなかったから


当然、お前のような人間が収容所に送られようと、人々はずっと黙っていた

そして私がこの玉座についていることを、人々は何も言わない


ははっ、面白いなあ、唯一声をあげたお前のような存在が

そうだな、お前はきっと支配にあらがえる人間だ

私が支配する世界に存在してはいけない生き物だ

決めたぞ、お前はここで倒させてもらおう

おまえは実のところ、見たことがないんじゃないのか?

おまえのつくったその国の地方を統治している「貴族」たちの振る舞いを、

自分が思うまま、好き勝手、やりたい放題だったぞ。

おれとその仲間たちは、そいつらを葬ってきた。

拍手喝采だったさ。


騎士の話や、国王処刑の革命の話だが……。

奴らはいつだって、その任務の危険性によって、「花形」だ。

その花形の職業や任務の「美談」。


おれは違う。

それにおれは、今も「極悪人」だろうな。

なぜなら、処刑台に送らず、殺してきたから。

だがな、逆におまえみたく美談で「着飾る」ことはしないんだよ。


おれこそ、貴様を、……倒す!!

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