文字数 386文字

 ばたばたと新種の病魔に侵され、倒れては死んでゆく。産まれてくる子供たちは、頭が小さすぎるか身体が欠けて長生きできない。まるで実験マウスのような隣人たち。無機質な人間もどき。長く粘々の魔界の残滓が首に巻きつき、まだまだ生ぬるいぞ~と誰かが叫ぶ。略奪していく奴らは笑いながら、いとも平気な顔で、生ぬるいぞ~と悪態をつく。
 4次元の地獄の釜に穴があき、雪国のありとあらゆる重力を吸い尽くした。崩壊した竈の空が灰色になり、とうの昔に磁場も狂いまくっている。けれど、なんだかんだと世のなかでは悲惨な事件が起こっていても、わたしは愉しく暮らしているのです。

 それはそれで良かったのですか?……
 ああ~私は……なにも言えない。
 なんにも、言葉というものが出てこない。
 
 そこで、わたしは50年先の文学的に難解な、近未来の純真なお伽噺というものをすこしずつですが書きたくなってきました。
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